Flash Player および AIR バージョン 23 のベータ版が公開されています。(Adobe AIR@Labs) SWF バージョンは 34 になりました。
今回の主な追加機能および変更点は以下の通りです。
- iOS で StageText のクリアボタンがオプションに
- Windows 上でも AIR アプリが HiDPI をサポート
- Flash Player が HSTS に対応
- Flash Player 上で VideoTexture を使ったハードウェアエンコーディングが可能に
- ローカルコンテンツ再生時のオプション設定を変更
VideoTexture は AIR アプリではバージョン 17 から利用できた機能と同じものです。バージョン 23 からは Flash Player でも Stage3D のテクスチャとしてビデオ入力を利用できます。
Windows 環境での HiDPI サポートは Mac OS 環境では既に提供されていた機能です。使い方が同じなので、requestedDisplayResolution タグの値に high を指定すれば、2 つのデスクトップ環境に対応します。
HSTS 対応により、Flash Pyaer はサーバーとの通信に HTTPS の使用をリクエストするようになります。特に、他の SWF ファイルを読み込む場合には、HSTS 対応のサーバーと組み合わせることで、プロトコルハイジャックの危険性の低減が期待できそうです。
StageText のクリアボタンの指定オプション
AIR 23では、iOS アプリで StageText を配置する際、クリアボタンの表示を指定するオプション stageText.clearButtonMode が利用できるようになりました。ただし、この変更は複数行テキストには適用されません。
stageText.clearButtonMode に指定できる値は、以下の 4 種類です。
StageTextClearButtonMode.WHILE_EDITING // 編集中にクリアボタンを表示 StageTextClearButtonMode.UNLESS_EDITING // 編集時以外にクリアボタンを表示 StageTextClearButtonMode.ALWAYS // 常にクリアボタンを表示 StageTextClearButtonMode.NEVER // 常にクリアボタンを非表示
デフォルトの値は StageTextClearButtonMode.WHILE_EDITING です。
ローカルコンテンツ再生時のオプションの変更
SWF ファイルをパブリッシュする際のオプションのひとつとして、ローカル再生するコンテンツのアクセス範囲を選択することができます。選択肢は、ローカルファイルにのみアクセスと、ネットワークにのみアクセスの 2 つです。
Flash Player 23 からは、どちらのオプションが指定されていても、ネットワークのみへのアクセスが指定されているものとして扱われるように変更されました。この変更が適用されるのは、ローカルの SWF ファイルを、ブラウザで再生した場合です。スタンドアローンの Flash Player で実行される場合 (もちろん、ネットワークからブラウザに SWF を読み込む場合も) は従来通りの動作です。
従来通り継続して使いたい場合は、Flash Player に信頼されているファイルとして登録します。この方法を採る場合は、信頼できる提供者による SWF ファイルであることを十分に確認するよう推奨されています。
Chrome (PPAPI) の場合は、グローバルセキュリティ設定の URL を開き、「編集」→「追加」と選択します。その他のブラウザー (IE, Edge, Firefox, Safari 等) は、コントロールパネル内の Flash Player を選んで、「高度な設定」→「信頼されている場所設定」からパネルを開き、追加ボタンを押してファイルを指定します。
システム管理者であれば、mms.cfg ファイルに EnableInsecureLocalWithFileSystem=1 フラグを追加する方法もあります。この方法であれば個別にファイルを指定する必要はありません。
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