2011年9月アーカイブ

いよいよ来週に迫った Adobe MAX です。(現地時間で 10 月 4 日から 6 日まで)

ことしも、基調講演とスニークピークの模様を速報します。日本の朝の通勤時間までにはレポートが読めるようになっている予定ですのでお楽しみに。速報の掲載は ADC Community Lounge というサイトです。

今年は、コメントが付けられるようになったので、聞きたいことがあれば何なりとご質問ください。日本から参加する "MAX 野郎" も気合を入れて情報提供をしてくれると思います。

朝まで待てない人は、日本からも基調講演のライブ中継が見れます。今年は HLS による iOS 向けの配信や P2P ネットワークを使った配信もあるようです。視聴には事前登録が要るかもです。詳しくはこちらをご覧ください。 (今年も基調講演を生中継 ! MAX グッズをゲットしよう

既に Flash Player 11 の声が聞こえて来ている今日この頃ですが Flash Player 10.3 のセキュリティーアップデートが公開されています。

対象は、Flash Player デスクトップ版の 10.3.183.7 以前、及び Android 版 10.3.186.6 以前のバージョンです。

新しいバージョンは以下の通りです。

  • デスクトップ : 10.3.183.10
  • Android : 10.3.186.7

重要度は Critical (一番上) との位置づけられ、既にこの脆弱性を利用した攻撃が報告されているとのことですので、至急アップデートをお勧めします。現在インストールされているバージョンは、Flash Player についてで確認できます。

前回の記事で伝わったかと思いますが、Stage3D の登場により Flash Player の描画機能は一世代確実に進化しました。 久しぶりに一歩進んだ感じです。

この記事で紹介している Starling の他にも ND2D のようなフレームワークが登場したりとか、今から Flash の周りでいろいろと新しいことが起こりそうな予感がします。 (Alchemy の話や Flash Player のマルチスレッド対応の話とかもありますし)

さて、今回は少し詳細な Starling の仕様の紹介です。

Starling のアーキテクチャー

Starling は Stage3D 上に構築されています。Stage3D は、デスクトップ環境では DirectX や OpenGL、モバイル環境では OpenGL ES2 上に構築されています。そして OpenGL 等が GPU の API を直接呼び出すので、Starling は間に 2 階層挟んで GPU を利用していることになります。

  1. Starling
  2. Stage3D
  3. OpenGL, DirectX, OpenGL ES2
  4. GPU

Starling は、Flash Player 11 の新しい 3D 描画機能 "Stage3D" 上に構築された、オープンソースの 2D 描画用 ActionScript フレームワークです。FreeBSD ライセンス下で配布されます。

現在バージョン 0.9 が公開されています。ダウンロードはこちらのリンクから。 (Starling Framework v0.9

Stage3D は直接 GPU 機能を活用できるため、従来よりもずっと高速な描画を実現できます。すでに、様々な 3D フレームワークが Stage3D に対応しています。
Alternativa3D とか Away3D とか Minko とか Flare3D とか Mixamo とか)

Stage3D は強力なのですが、実際に使おうと思ったら、アセンプラでシェーダープログラムを書くとか、何れかの 3D フレームワークの使い方を学ぶ、つまりまったく新しいプログラミングモデルを学習しなければならなかったりします。

これでは、単純に高速な 2D 描画が欲しいだけなんだけど!の人にはちょっとハードルが高すぎるかもしれません。

このままでは一部の人しか Stage3D を使うまい、という心配があったかどうかは不明ですが、Stage3D の複雑さを隠しつつ高速な 2D 描画を実現できるよう開発されたのが Starling です。Starling は、使い慣れた表示オブジェクト風の API を提供します。一方、裏では Stage3D を呼び出して高速な GPU 描画を実現します。

Flex 4.6 SDK と Flash Builder 4.6 が発表されました。今年後半に公開予定だそうです。

Flex 4.6 SDK

Flex 4.6 SDK は、新しい UI コンポーネントの追加と、タブレット向けの SplitViewNavigator の追加が主な変更点になります。

新しく追加されたコンポーネントはスピナー系、コールアウトボタン、トグルスイッチ等です。また、テキスト入力が、先日の記事でお伝えした StageText に対応します。

datespinner.png

アドビから Flash Player 11 と AIR 3 について、公式に発表がありました。公開は来月、ということです。

公式発表内には、従来からお伝えしていた内容から特に新しいものはありませんが、Flash Player チームからは Alchemy について新しいコメントが公開されています。

Alchemy は 2008 年の MAX の時にプレビューリリースが公開されていて、C や C++ で記述されたコードを SWF や SWC にコンパイルして AVM2 上で実行できる技術です。C/C++ ネイティブには適わないものの AS3 よりはかなり早いパフォーマンスを得ることができます。

この Alchemy のプレビュー版がもうすぐ Adobe Labs から削除されることになりました。これは開発中止ではなく、これまでのフィードバックを元に再構築された正式版が出るため、ということです。

StageText は OS ネイティブのテキスト入力を呼び出すクラスです。AIR 3 から利用可能で、Android や iOS で提供されている、便利機能付きの入力フィールドがそのまま使えるようになります。

先日の記事 (Adobe AIR と ActionScript Native Extensions) でも触れたように、ネイティブアプリとの差を埋めることが AIR 3 の主要なゴールであることが伺えます。

一見良さげな StageText ですが、表示オブジェクトではないため、特殊な扱いが要求されたり、フィールド内の描画を OS が行うため、埋め込みフォントが使えない、などの制限があります。

それから、StageText は、AIR アプリが実行されるプラットフォームによって (当然ながら) その振る舞いが異なります。特定の機能を利用する場合は、各プラットフォームでの動作確認が必要になることもありそうです。

ベータ版の ASDoc によると、StageText はデスクトップ環境でも利用できるものの、OS のテキストフィールドではなく Flash のテキストフィールドを使った実装になるようです。おそらく、デスクトップ上ではネイティブのテキストフィールドを利用する利点があまり無いから、ということでしょう。

Flash Pro CS5.5 のアップデートが公開されました。

このアップデートには CS5 以来発生していた、ファイルの保存に関する修正が含まれています。時間がかかりましたが、これでようやく安心して CS5.5 を使えるようになったのではないかと思います。

そのほかのバグ修正もふくまれていますので、さっそく更新してみて下さい。

更新には、ヘルプメニューから 「アップデート」 を選択し Application Manager を起動します。

もしくはこちらのページからアップデートのインストーラをダウンロードすることもできます。 (Flash Professional CS5.5 11.5.1 アップデート

 

ANE (ActionScript Native Extensions) は、AIR アプリケーションと OS ネイティブコードの連携を実現する AIR 3 の新しい機能です。

AIR 3 が正式に公開されれば、デバイス環境 (Andoid、iOS、BlackBerry Tablet OS) でも、デスクトップ環境 (OS X、Windows) でも ANE を利用できるようになります。

そこで、ANE があると何ができて、何が嬉しいのか、どんな仕組みになっているのか、といった辺りを簡単にまとめてみます。具体的な API の使い方はまたそのうち、ということで...

Flash Media Server 4.5 が正式に発表されました。(Flash Media Server 4.5

今回のバージョンから iOS 端末 (iPhone, iPad) への配信にも対応しました。複数プラットフォームへの配信作業を簡素化する機能も追加されています。

iOS デバイスへの配信には HTTP Live Streaming が使われます。これは暗号化された配信にも対応します。Flash Player 向けには、従来どおり Http Dynamic Streaming (と RTMP, RTMFP) が利用できます。

フォーマットの変換は配信先に応じて FMS 4.5 が自動的に行うため、Apple がサポートするスペックにエンコードされたコンテンツが 1 つだけあれば、デスクトップから iOS, Android まで全ての環境にメディアを配信できることになります。

最も一貫性のあるビデオ再生環境として Flash Player は広く使われてきましたが、iOS の Safari やネイティブアプリが新しい配信先として登場したことにより、複数のコンテンツを事前に準備する手間がかっていたという人には朗報ですね。

下が、主な新機能のリストです。

Flex チームのオフィシャルブログに、今後の Flex の目指す方向についての投稿がありました。 (where we are headed

詳しいロードマップは、来月の頭に Los Angeles で行われる MAX で話されるようですが、興味深い点もあったので、参考までにかいつまんで中身を紹介します。

まず、

現状について

「Flex 4.5 が出荷されて 3 ヶ月程が経過したが、特に Android/iOS/BlackBerry Tablet OS への対応に対するフィードバックは好意的なものだった。同じツールとコードを使いまわして複数のデバイス向けのアプリを作れるだけでなく、Web やデスクトップにも対応できることは高く評価されている」

という認識を元に、次バージョンのプランが作られた、という話から始まります。

「年内に、主にモバイルアプリケーション開発に関する小さなアップデートが行われる予定である」 そうですが (AIR 3 対応?)、その一方で、「その次の大きなアップデートの作業も既に始まっている」 ことが明記されています。

では、大きなアップデートの具体的な方向性は?という話ですが、

先日公開されたばかりの Adobe Edge (新しい HTML5 ツール Adobe Edge プレビュー版公開) プレビュー版が更新されました。(Adobe Edge Preview@Labs

Edge は HTML5, JavaScript, CSS3 ベースのモーション制作ツールです。最初にプレビュー版が公開されてからわずか一月あまりですが、プレビュー版 2 では、コミュニティからのフィードバックを元に多くの修正や機能追加が行われました。

プレビュー 2 のダウンロードは Labs からです。Adobe ID が必要です。 (Adobe Edge@Labs Downloads

プレビュー 2 の新機能

以下は、プレビュー版からの更新点です。これを見ると、まだまだできかけのツールだという感じですね。

Adobe Labs に Flash Player 11 と AIR 3 の Release Candidate (ほぼそのままリリースされるバージョン) が公開されました。デスクトップ向けだけなのは、相変わらずです。

というわけで、わりと直ぐに Flash Player 11 と AIR 3 が公開されることが予測されます。 (来月は大きなイベントもありますしね)

Flash Player の 64bit 版など、現バージョンから大きな変更があるので、既存のコンテンツの動作確認とフィードバックは急いだ方がよさそうです。

ダウンロード用のリンクはそれぞれ、

です。

Flash Player は、インストール前のアンインストールをお忘れなく。アンインストーラーも上記リンクから提供されます。

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