2011年3月アーカイブ

AIR 2.6 から、Windows, Mac, Linux, Android そして iOS がサポートされました。

これまで iOS 向けには Packager for iPhone という AIR SDK とは別の SDK が必要でしたが、これからは、AIR の書き出しオプションの 1 つとして iOS アプリを選択できるようになります。

これで、iOS 向けアプリのベースが AIR 2.0 から AIR 2.6 になりました。Packager for iPhone の時と比べると機能/パフォーマンス共に大きく改善され、また、マルチタスクや Retina ディスプレイにも対応しました。API は Android とほぼ同じに揃えられています。

AIR 2.6 では、iOS 4 以降をサポートします。iOS 3 はサポートしていません。

  • OS:iOS 4.0 以上
  • デバイス:ARM v7
    • iPhone 3GS, iPhone 4
    • iPad
    • iPod Touch 第 3 世代以降

そのため、例えば Packager for iPhone でパッケージした既存のアプリが iPhone 3G をサポートするものとして登録されていると、AIR 2.6 を使ってパッケージしたバージョンで更新することができません。これは、App Store には、アプリを更新する時に、サポートするデバイスを減らせないという制限があるためです。

新バージョンは別アプリとして公開することになるため、有償アプリだった場合は、再度購入して貰うことになります

iPhone OS 3 あるいは ARM v6 のデバイスを対象とするには、引き続き Packager for iPhone を利用します。Packager for iPhone は、Flash Professional CS5 に付属するものを使用できます。(Flash Professional CS5 に最新のアップデートが必要)

先日、Adobe Developer Connection に Android アプリケーションの画面の向きを、縦にしたり横にしたりする方法について書きました。

画面を回転させる方法は、大きく 2 種類に分けられます。

AIR の自動回転機能を使うものと、全てをスクリプトから制御するものです。2 つの記事の内、パート 1 は自動回転を利用する場合、パート 2 は利用しない場合のシナリオを解説しています。

(可能であれば、パート 1 に紹介している自動回転機能を有効にして、RESIZE イベントで表示を制御する方法が楽だと思います)

さて、AIR 2.6 では、iOS と Android 間の API の整合性を高めるため、いくつかの変更が行われました。その影響で、画面の回転に関連する項目でも AIR 2.0 から AIR 2.5 へのアップデートで一旦使えなくなった機能がいくつか復活しています。

これまでの経緯

具体的な項目に触れる前に、背景を整理しておくと、

  1. AIR 2.0 は iOS を第一に設計された
  2. iOS 向け AIR アプリの配布が禁止された
  3. AIR 2.5 は Android を前提に設計された
    → そのため Android 上で利用できない AIR 2.0 の API は AIR 2.5 になって廃止された (iOS 向けの開発は中断)
  4. iOS 向け AIR アプリの配布が許可された
  5. AIR 2.6 は iOS, Android 両方のサポートを目指した

このように、これまでは iOS 対応と Android 対応は別のルートを辿ってきました。Packager for iPhone のユーザーは AIR 2.0 を使ってきましたし、AIR for Android のユーザーは AIR 2.0 とは非互換の AIR 2.5 を使ってきました。

なので、両者にとって AIR 2.6 は異なるアップデートに見えるかもしれません。

AIR 2.6 における画面の向き関連の変更点

本題に戻って、AIR 2.6 で、画面の向きに関連する項目の内、変更があったのは以下の通りです。

先日お伝えした通り、3/18 日に Flash Player 10.2 の Android 版が Android Market に公開されました。

サポートされるのは、Android 2.2 (Froyo) と 2.3 (Gingerbread) で、 Android 3 (Honeycomb) については、3.0.1 アップデートを前提とするベータ版という位置づけです。Honeycomb の正式なサポートは、数週間以内を予定しているようです。

Android 上でのビデオ再生に関して、480P 以下での再生が推奨されています。Android 3 用の Flash Player 10.2 では 720P のビデオ再生もサポートされる予定だそうです。

なお、フルスクリーンモードへの切り替え手段として、コンテンツをタップ後に長押しすると、フルスクリーンに移行するボタンが左上に表示されるようになっています。

参考までに、アドビが検証済みのデバイスのリストがこちらの URL にあります。 (http://www.adobe.com/go/cd1

今回のリリースは、セキュリティー上の問題点に対する修正も含みます。(http://www.adobe.com/support/security/advisories/apsa11-01.html

 

AIR 2.6 のデスクトップ用ランタイム及び SDK が公開されました。先日公開された Android 版に続き、Windows, Mac, Linux 版が公開です。

Flash Professional CS5 や Flash Builder 4 のサポートについてはまだ発表されていません。

AIR 2.6 に含まれるランタイムのバージョンは、

  • Flash Player: 10.2.152.33
  • WebKit:Safari 4.0.3 の WebKit を基にしたバージョン

です。

AIR for iOS

AIR 2.6 SDK から iOS への書き出しにも対応しました。

従来は、Adobe Labs に公開されていた Packager for iPhone のベータ版を使って、iOS 向けのアプリをパッケージしていましたが、AIR 2.6 では、他のプラットフォームと同様に ADT を使って ipa ファイルを生成します。

Packager for iPhonde は AIR 2.0 がベースだったため、機能や性能が Android 向けアプリに比べ劣っていましたが、今後は同じソースを iOS と Android で共有というシナリオがより現実的になりそうです。

Charlie Schulze のデモで、同じコードから書き出されたゲームが、最新の XOOM から iPad 1 / iPhone 3GS までストレス無く動く様子が紹介されています。

サポートされる iOS のバージョンは 4 以降です。それ以前のバージョンをサポートするには、引き続き Packager for iPhone を使います。

サポート対象のデバイスが変わるため、既存の iOS アプリを AIR 2.6 でアップデートすることはできません。(iOS Developer Library/Technical Q&A QA1623) AIR 2.6 SDK を使って書き出したら、新規のアプリとして登録することになりますのでご注意下さい。

その他、マルチタスクへの対応や、Retina ディスプレイ対応も行われました。

AIR 2.6 の新機能

AIR 2.6 から追加された主な新機能を紹介します。

Adobe Developer Connection (ADC) に、Android の 4 つの仮想キーの扱い方 (AIR アプリ開発時) の記事を書きました。

記事のポイントは、以下の 2 点です。

  1. バックキーを押したときの動作が、AIR アプリケーションはネイティブアプリとは異なることと、その対処法
  2. ホームキーを押した後のアプリの実行モデルと、実行状態が変わる前にしておくべきこと

どちらも、タイトルから想像される内容とちょっとずれてるのですが、Android 向けの AIR アプリを作る際に重要な情報ですので、ご参考まで。

 

ブラウザとの統合

先日ベータ版が公開された Flash Player 10.3 から追加された新しい機能に、プライバシー機能の改良があります。ブラウザから記憶領域を管理できるようになった、というものです。

この "記憶領域" は、ローカルシェアードオブジェクト (LSO) の機能を使い、クライアント側に情報を保存するための領域です。ユーザー情報を記録するのに使われる例が多いことから "Flash クッキー" と呼ばれたりもします。

LSO に保存されたデータは、データを保存した web サイトからのみアクセスできます。従って、情報を他のサイトに覗かれたりする心配はありません。

しかし、アクセスしている web サイトには、過去の履歴が見えてしまいます。例えば、わざわざクッキーを削除したのに、Flash Player の記憶領域を使ってクッキーを復元された、ということが起きる可能性があります。

そのため、サイトごとに領域の利用可否を指定したり、利用できる領域のサイズ指定を行う機能が提供されていました。しかし、その機能を使うには、SWF の再生領域で右クリックしてブラウザ内に設定マネージャーを開いて、という手順が必要でした。

クッキーであれば、ブラウザーのメニューからできるのに、という声に答えて(?)、Flash Player 10.3 では、ブラウザーの設定メニューから Flash Player の記憶領域を削除する機能が追加されています。

Flash Player 10.2 の Android 版が 3 月 18 日に Android Market に公開予定であることが発表されました。OTA アップデートがその日あたりにあるかもしれません。

サポートされるのは、Android 2.2 と 2.3 です。Android 3.0 向けには、Android 3.0.1 アップデートが公開されるとベータ版として利用可能、その後数回のアップデートを経て正式にサポート、ということになるようです。

日本でも XOOM がもうすぐ発売されますが、もし Android 3.0 が載っていたら、買った状態では Flash Player は利用できないことになります。

しばらく待たせる代わりに、Android 3.0 だけで利用可能な新機能が 2 つあります。

  • ハードウェアによる H.264 ビデオ再生:
    • Stage Video を使った H.264 ビデオの効率的な再生が可能になります
  • ブラウザの描画エンジンとの統合:
    • SWF コンテンツを HTML や画像と同様に描画できるため、ページの表示/スクロールがスムーズになります。今までは HTML コンテンツの上に描画していたため、スクロールすると少しずれるのが見えていたりしました

その他にも、Android 用に拡張された機能がいくつかあります。こちらは、Android 2.x と Android 3.0 どちらでも利用できます。

  • 最新デバイス用のパフォーマンス改善
    • マルチコアの CPU や高速化された GPU 環境でのパフォーマンスが向上するよう改良されました
  • ソフトキーボードのサポート
    • ソフトキーボードをコントロールするための API が追加されました

 

AIR Launchpad のベータ 5 が公開されました。今回から日本語の UI がサポートされています。(Adobe AIR Launchpad@Labs

Launchpad は Flex のプロジェクトを生成する AIR アプリケーションです。デスクトップ用とモバイル用のプロジェクトを生成できます。

生成されるプロジェクトには、Launchpad 内のオプションを選択することで、画面の向きの処理やアプリ起動の通知、といった機能をコード内に含めたり、カメラロールへのアクセスやマルチタッチを扱うためのサンプルファイルをプロジェクトに追加することができます。

ある程度コードが準備された状態から始められるため、ゼロからコードを書き始めるのに比べてずいぶん楽です。また、使ったことの無い機能の学習用にも役立ちそうです。

Launchpad はプロジェクトフォルダとプロジェクトの zip ファイルを生成します。zip ファイルはそのまま Flash Builder に読み込むことができます。

Launchpad は以下の環境をサポートしています。

  • デスクトップ:
    • Flash Builder 4
    • Flex 4.1
    • AIR 2
  • モバイル:
    • Flash Builder Burrito
    • Flex Hero
    • AIR 2.5

 

Wallaby のプレビュー版が Adobe Labs に公開されました。(Wallaby@Labs

Wallaby は、昨年 10 月にロサンゼルスで開催された MAX のスニークピークセッションで紹介された技術で、FLA ファイルを HTML に変換します。これを使えば、iOS 上でも Flash Professional CS5 で制作したアニメーションを表示できます。

最初の公開となる今回のプレビュー版では、典型的な広告用のバナーの HTML への変換が目標とされています。複雑なタイムラインのアニメーションを HTML5 に変換できますが、(まだ) 多くの機能がサポートされていません。

ちなみに、Wallaby は Canvas ではなく SVG を使います。これは、パフォーマンスとコードの可読性の観点から選択されたそうです。

Wallaby のダウンロードはこちらです。(Wallaby@Labs Downloads

Wallaby はネイティブインストーラーとして配布される AIR アプリケーションです。Mac 版と Windows 版が提供されています。

推奨されるテスト環境は、

  • OS X 10.5 と 10.6 (殆どのテストは 10.6 で行われたとのこと)
  • Windows 7, Vista, XP (こちらも殆どのテストは Win 7 で行われたとのこと)

です。

Windows 環境では、"Microsoft Visual C++ 2008 SP1 Redistributable Package (x86)" がインストールされている必要があります。

Wallaby は WebKit に依存する機能を使っているため、利用できるブラウザーは限定されます。現在テストに使われているブラウザーは、

  • Chrome 8.0.552.215
  • Safari 5.0.3
  • iOS 4.2

です。

Flash Player 10.3 ベータ版が Adobe Labs に公開されました。(Flash Player 10.3 Beta@Labs

先月、Flash Player 10.2 が正式に公開されたばかりですが、早くも次のアップデートが近づいているようです。公開予定は、今年前半を予定とのことです。

ちなみに、つい先週公開された Flash Player 11 インキュベーターリリースは、"いつか公開されるかもしれないテクノロジー" のプレビューです。ベータ版は、次に公開されるアップデートの新機能や互換性を検証するためのプログラムです。

(ちなみに、Flash Player 11 インキュベーターリリースにも Flash Player 10.3 の新機能は含まれているとのことです)

Flash Player 10.3 ベータ版のダウンロードはこちらから。(Flash Player 10.3 Beta@Labs Downloads

今回公開されたのは、Windows 版、Mac 版、Linux 版です。デバイス用の Flash Player もどこかのタイミングで公開されることでしょう。Windows 版と Mac 版では、サポートされるブラウザーのバージョンが変わっています。(Flash Player 10.2のサポート状況はこちら

  • ブラウザーサポートについての変更点 (Windows と Mac)
    • Firefox 3.5 以降
    • Opera 11 以降

例によって、インストール前には既存の Flash Player のアンインストールが必要です。アンインストーラーも上記のダウンロードリンクから入手できます。

Flash Player 10.3 の主要な新機能は、以下の 5 つです。

  • 開発者向け
    • メディア効果測定
    • アコースティックエコーキャンセル
  • ユーザー向け
    • ブラウザのプライバシー機能との統合(ローカルストレージ)
    • OS のコントロールパネルとの統合
    • Mac でのアップデート自動通知機能

以下、もう少し詳しく説明します。

昨年秋の MAX2010 のときに、AIR for TV 用に公開されていたパフォーマンス測定アプリをご存知でしょうか? Android も機種増えてきたし、性能が見えるとうれしいよね、ということで AIR for Android 用にポーティングしてみました。

近日中に Adobe Developer Connection 経由で紹介予定ですが、その前にテストしていただける有志の方に、ベータ版を公開します。

実行環境には、先日公開された AIR 2.6 が必要です。インストールちょっと面倒で申し訳ありません。

全部で 58 種類のテストがあります。ほぼ全てが描画性能を測定するテストです。今回は CPU 描画の性能を測定してます。

起動すると画面が出るまでにしばらく待たされますが、そういうアプリですので、我慢して使ってください。使い勝手は折りをみて改善していく予定です。バグ、要望など、よろしければコメントください。

ちなみに、AIR 2.5 と比べると、AIR 2.6 はちゃんと早くなっているようでした。

 

Adobe Labs に Pixel Bender 3D のプレリリースが公開されました。(Pixel Bender 3D@Labs

Pixel Bender 3D は Pixel Bender に 3D 描画用の機能を持たせたバージョンです。先日公開された Flash Player 11 インキュベーターリリースの 3D API "Molehill" を利用するプログラムを記述できます。

ダウンロードはこちらです。(Pixel Bender 3D@Labs Downloads

プレリリース版がサポートする環境は、以下の通りです.

  • Windows: Windows XP SP2, Windows Vista, Windows 7
    (DirectX 9 に対応したカードが必要)
  • Mac OS: OS X 10.6

Flash Player の 3D API "Molehill" を使った 3D 描画をするには、頂点及びフラグメントシェーダ作成してそれを Molehill に渡します。このとき、シェーダを記述するのに使われるのは AGAL と呼ばれるアセンブラ言語です。

これに対して、Pixel Bender 3D を使えば、より "高級" な言語を使って Molehill 用のシェーダを開発できるようになります。

Pixel Bender 3D を記述する文法は、従来の Pixel Bender と同じです。Pixel Bender 3D で記述したプログラムは、コマンドを使って Molehill API で読み込める形に変換します。必要なコマンドはダウンロードファイルに含まれています。

具体的な開発方法や API は、ダウンロードファイルの docs ディレクトリ下に含まれています(英語ですが)。加えて、サンプルコードも提供されています。

 

Flash Player 11 のインキュベーターリリースが公開されました。(Adobe AIR and Flash Player Incubator@Labs

インキュベーターリリースは、ごく初期の (不安定な) ビルドを実験的に公開するものです。今回公開した昨日が将来の製品に実装される保証もまったくありません。それでも構わない、という方は、本当に最新の Flash Player のテストにご参加ください。ダウンロードは、こちらです。(Adobe AIR and Flash Player Incubator@Labs Downloads

例によって、インストール前の既存バージョンのアンインストールが必須です。Win または Mac 環境では上記ダウンロードページからアンインストーラーをダウンロードしてお使い下さい。Linux の場合は、プラグインフォルダ内の、libflashplayer.so を削除します。

サポートされる環境は、

  • DirectX 9 対応のカード付きの Windows XP, Windows Vista, Windows 7
  • Mac OSX 10.6
  • OpenGL 対応カード付きの Linux
    (mms.cfg に以下の設定が必要 OverrideGPUValidation=true)

です。

現時点でのインキュベーターリリースに含まれる新機能は、以下の 2 つです。

  • Molehill - Flash Player と AIR 用の 3D API
    以前お伝えしたように、GPU を使った高度な 3D 描画ができます
  • キュービックベジェ曲線 API
    cubicCurveTo を使ってキュービックベジェ曲線を描けます

Molehill に関連しては、Zombie Tycoon というゲームが公開されています。Flash Player 11 のインキュベーターリリースをインストールした環境であれば遊べます。(Zombie Tycoon

Flash Player 11 の ASDoc はこちらからダウンロードできます。flash.display3D あたりが新しく追加されたパッケージです。cubicCurveTo は Graphics クラスに追加されています。テスト環境で (念のため) いろいろと試してみてください。機能は基本的に問題なく全て利用できるようです。

開発環境の設定方法ですが、以下のとおりです。

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