Flash Player 10.3 ベータ版が Adobe Labs に公開されました。(Flash Player 10.3 Beta@Labs)
先月、Flash Player 10.2 が正式に公開されたばかりですが、早くも次のアップデートが近づいているようです。公開予定は、今年前半を予定とのことです。
ちなみに、つい先週公開された Flash Player 11 インキュベーターリリースは、"いつか公開されるかもしれないテクノロジー" のプレビューです。ベータ版は、次に公開されるアップデートの新機能や互換性を検証するためのプログラムです。
(ちなみに、Flash Player 11 インキュベーターリリースにも Flash Player 10.3 の新機能は含まれているとのことです)
Flash Player 10.3 ベータ版のダウンロードはこちらから。(Flash Player 10.3 Beta@Labs Downloads)
今回公開されたのは、Windows 版、Mac 版、Linux 版です。デバイス用の Flash Player もどこかのタイミングで公開されることでしょう。Windows 版と Mac 版では、サポートされるブラウザーのバージョンが変わっています。(Flash Player 10.2のサポート状況はこちら)
- ブラウザーサポートについての変更点 (Windows と Mac)
- Firefox 3.5 以降
- Opera 11 以降
例によって、インストール前には既存の Flash Player のアンインストールが必要です。アンインストーラーも上記のダウンロードリンクから入手できます。
Flash Player 10.3 の主要な新機能は、以下の 5 つです。
- 開発者向け
- メディア効果測定
- アコースティックエコーキャンセル
- ユーザー向け
- ブラウザのプライバシー機能との統合(ローカルストレージ)
- OS のコントロールパネルとの統合
- Mac でのアップデート自動通知機能
以下、もう少し詳しく説明します。
メディア効果測定
ビデオの再生状況を把握できるよう、新しく API が追加されました。
- 再生イベントの拡張
プログレッシブダウンロードによる再生でもイベントが利用できる、イベントの種類も追加 - NetStream の監視
NetStream オブジェクトの一覧取得、新規 NetStream オブジェクトの生成通知 - NetStreamInfo の拡張
NetStreamInfo の新しい属性:メタデータ、XMP データ、接続先の URL 等 - ページのドメイン取得
他のドメインのHTML ページからでも、ドメイン (フル URL ではない) を取得できる
アコースティックエコーキャンセル
Microphone クラスを拡張して、音声を聞き取りやすくするための API が追加されました。
- アコースティックエコーキャンセル
双方向または一方からの会話のエコーをキャンセル - ノイズの抑制
マイク入力からの雑音を取り除く - 自動利得制御
マイク入力のレベルの差 (マイクからの距離等による) を自動調整 - 発声の検出
音声の検出の有無を通知
ブラウザのプライバシー機能との統合(記憶領域)
ブラウザーの設定画面から Flash Player の記憶領域を削除できます。不要なクッキーの削除と同様の手順です。現時点で対応済みのブラウザーは、Firefox 4 です。 IE 8 以降が現在対応中で、Safari、Chrome もサポートされる予定です。
Chrome の Flash Player 10.3 ベータ対応版は、Chrome の Dev channel に公開される予定のようです。おそらく、こちらのブログに情報が公開されると思います。
OS のコントロールパネルとの統合
Flash Player の設定変更を、OS が提供するコントロールパネルやシステム環境設定から行うことができます。従来は、ブラウザ内に、設定マネージャーを表示してからプライバシーやセキュリティ、それから記憶領域等の設定を行っていました。
Mac でのアップデート自動通知機能
Mac 上で、ソフトウェア更新の通知をサポートします。定期的にチェックして、新しいバージョンが見つかるとダイアログが表示され、そのままインストールを行うことができます。正式に公開された時点では、チェックの間隔 (あるいはチェックを行わない) を指定できるようになるそうです。今回公開されたベータ版は、毎日チェックする仕様だそうです。
最後に、実際に新機能を使って開発を行うには、(仕事環境以外をお勧めします)
1.Flash Professional CS5 で使える (らしい)playerglobal.swc が、ダウンロードページに公開されています。Adobe Flash CS5\Common\Configuration\ActionScript 3.0\FP10 の下の playerglobal.swc を別の場所に保存してから、ダウンロードしたファイルと置き換えます。
2.Flex SDK Hero の stable build build 19786 をダウンロードして、コンパイル時の引数に -swf-version=12 を指定して使います。詳しいステップは以前の記事の下の方の説明をご覧下さい。3-2 の手順だけが異なります。(バージョンを指定している箇所)
新機能の ASDoc も公開されています。
より詳しくはリリースノート (英語) もご覧下さい。
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