Flash Player 11 のインキュベーターリリースが公開されました。(Adobe AIR and Flash Player Incubator@Labs)
インキュベーターリリースは、ごく初期の (不安定な) ビルドを実験的に公開するものです。今回公開した昨日が将来の製品に実装される保証もまったくありません。それでも構わない、という方は、本当に最新の Flash Player のテストにご参加ください。ダウンロードは、こちらです。(Adobe AIR and Flash Player Incubator@Labs Downloads)
例によって、インストール前の既存バージョンのアンインストールが必須です。Win または Mac 環境では上記ダウンロードページからアンインストーラーをダウンロードしてお使い下さい。Linux の場合は、プラグインフォルダ内の、libflashplayer.so を削除します。
サポートされる環境は、
- DirectX 9 対応のカード付きの Windows XP, Windows Vista, Windows 7
- Mac OSX 10.6
- OpenGL 対応カード付きの Linux
(mms.cfg に以下の設定が必要 OverrideGPUValidation=true)
です。
現時点でのインキュベーターリリースに含まれる新機能は、以下の 2 つです。
- Molehill - Flash Player と AIR 用の 3D API
以前お伝えしたように、GPU を使った高度な 3D 描画ができます - キュービックベジェ曲線 API
cubicCurveTo を使ってキュービックベジェ曲線を描けます
Molehill に関連しては、Zombie Tycoon というゲームが公開されています。Flash Player 11 のインキュベーターリリースをインストールした環境であれば遊べます。(Zombie Tycoon)
Flash Player 11 の ASDoc はこちらからダウンロードできます。flash.display3D あたりが新しく追加されたパッケージです。cubicCurveTo は Graphics クラスに追加されています。テスト環境で (念のため) いろいろと試してみてください。機能は基本的に問題なく全て利用できるようです。
開発環境の設定方法ですが、以下のとおりです。
Flash Professional CS5 をお使いの場合:
- 環境設定用のサンプルファイルをダウンロード
- FlashPlayer11.xml ファイルを Adobe Flash CS5\Common\Configuration\Players の下にコピー
- playerglobal.swc を Adobe Flash CS5\Common\Configuration\ActionScript 3.0\FP11 の下ににコピー
- Flash Professional を再起動し、パブリッシュ設定から Flash Player 11 を選択
Flex SDK をお使いの場合:
- Hero の stable buids から build 19786 をダウンロード
(Hero は現在開発中の Flex の次期バージョンです) - ダウンロードしたビルドを開発環境に設定
- Flash Builder 内で新規 ActionScript プロジェクトを作成
- プロジェクトのプロパティパネルを開き、画面左のメニューから ActionScript コンパイラを選択
- Flex SDK の設定をクリックし、ダウンロードしたビルドを追加
- 特定の SDK を使用する、を選択し追加したビルドを指定
- プロジェクトが SWF バージョン 13 をターゲットとするよう設定
- プロジェクトプロパティパネル を開き、画面左のメニューから ActionScript コンパイラを選択
- 追加コンパイラー引数の入力欄に -swf-version=13 を入力
どちらの環境を使う場合も、Flash Player 11.0.0.58 インキュベーターリリスがブラウザにインストールされていることを確認してください。
s3D コンテンツの制作に関しては、既に Molehill 対応を開始している Away3D のようなフレームワークも必要になると思います。とりあえず手始めに Tinic が用意してくれた Flash Pro CS5 用のサンプルもあります。(TeaPot.zip)
Molehill の大まかな仕組みは、MAX Retweet のセッションで説明した資料もありますのでご参考まで。