ロードマップで Cyril と呼ばれていた Flash Player 11.3 と AIR 3.3 のベータ版が Adobe Labs に公開されました。
ダウンロードは以下のリンクです。
- Flash Player 11.3 Beta 1@Labs Downloads (11.3.300.214)
- AIR 11.3 Beta 1@Labs Downloads (3.3.0.3230)
まだベータ版のため、テスト用の環境にインストールすることが推奨されています。
サポートされる環境は以下の通りです。
Windows
- Windows XP (32-bit), Vista (32-bit), Windows 7 (32-bit and 64-bit), Windows Server 2003 (32-bit), Windows Server 2008 (32-bit)
- IE 7.0 以降, Firefox 4.0 以降, Chrome, Safari 5.0 以降, Opera 11
Mac OS
- Mac OS X v10.6, v10.7
- Safari 5.0 以降, Firefox 4.0 以降, Chrome, Opera 11
新機能
今回のベータ版に含まれる主な新機能は以下のような感じです。
新しい API は、英語ですがこちらのページに ASDoc が公開されています。 (BETA ActionScript 3.0 Reference)
まず、Flash Player 向けには、
- フルスクリーンでのキー入力
StageDisplayState.FULL_SCREEN_INTERACTIVE を利用して、フルスクリーンの Flash Player 上で実行されるコンテンツでも、全てのキーを使用できる。モードの切り替え時に、ユーザには許可を求めるダイアログが表示される。ユーザの選択結果と HTML に指定されている許可の有無は API から取得できる - NetStream 経由での低遅延の音声ストリーミング
新しく追加された NetStream.useJitterBuffer API を使うと、高品質な音声のストリーミングでも低遅延の再生が可能になる - Firefox 用のプロテクトモード
Chrome では既に実現されているプロテクトモードを FireFox 4.0 & Vista 以降の環境で実現。Flash Player がサンドボックス内で実行される。該当する環境では、インストールすると標準でプロテクトモードが設定された状態になる - Mac 環境での Flash Player 自動更新
既に Win 環境では実装されている機能。Flash Player がバックグラウンドで自動的に更新される - 低遅延の音声再生機能
Sound.play() メソッドや SoundTransform によるボリュームやパンの変更の遅延を低減。SAMPLE_DATA イベントの遅延も格段に改善 - Stage3D でのテクスチャのストリーミング
最初に質の低いテクスチャを GPU にアップロードしておいてから、その後のデータのアップロード状況に応じて段階的に表示を更新。createTexture() にストリーミングの使用を指示する引数を追加
が、利用できるようになっています。
AIR の新機能は以下の通りです。殆どデバイス向けの機能です。
- iOS アプリの USB デバッグ
USB 経由で接続された iOS アプリのデバッグが可能になる - iOS アプリのバッググラウンドでの実行時の振る舞いの改善
従来から利用可能だったマルチタスクと音声再生に加えて、位置情報の更新とネットワーク利用をサポート。OS からのアプリ停止の通知にも対応 - Android 4.0 のスタイラス
Android 4.0 に追加された Stylus API をサポート。対応デバイスであれば、アプリをスタイラスから利用可能 - iOS シミュレータのサポート
ADT コマンドから iOS シミュレータ用にアプリをパッケージ可能。実際のデバイスが無くても、iOS アプリの動作確認ができる - アスペクト比機能の変更
自動回転の指定時の動作を変更。特定のアスペクト比を指定すると、180 度回転したときだけ表示が変更される。明示的に全ての方向での表示変更を指定する StageAspectRatio.ANY を追加 - Mac App ストアの新要件への対応
ファイルの保存場所に対する制限に対応
まだいくつか新しい機能は追加されるようです。
新しい機能を使うには、SWF バージョンに 16 を指定します。AIR アプリの場合は、名前空間を 3.3 にします。
ベータ版では、テスト用に 2006 年の GPU ドライバまで使用できるようになっているようです。これは、情報収集が目的で、実際に公開される 11.3 で利用できるようになるわけでは無いようです。
いつもありがとうございます!
デバイス向けが勢い良く進化していて楽しみです。
ところでデバイス用のアコースティックエコーキャンセレーション実装に関する噂などはございますでしょうか?
匿名さん、こんにちは。
ちょっと前の話になりますが、「デバイス系はハードウェアに AEC の機能が付いていることが一般的なため、今のところ実装の予定は無い」、というコメントを聞いたことがあります。
今の状態では使いづらい感じでしょうか?
ackie さん
返信いただきありがとうございます。
以前 ackie さんも書かれていたように
デバイス向けには AEC と同等の機能が付いているとのことなのですが、
現状ですと iPhone、android ともにそちらを FlashPlayer から利用することができないようで、
例えば Skype のハンズフリー通話のようなアプリケーションを作成した場合
エコーが結構かかり実用には耐えるクオリティではありませんでした。
もちろん PC では素晴らしい効果を発揮しています。
bugbase によると、
https://bugbase.adobe.com/index.cfm?event=bug&id=2901450
わりと前から Deferred になっていましたので、
実装する予定があるのかもと期待しています。
匿名さん、こんにちは。
その場合は vote の数が重要になります。
まだ vote していなければ、一票を投じておくことをお勧めします。
ackieさん
ありがとうございます。
投票してまいります。