Flash Player 10.2 & 10.3 のデバイスパフォーマンス情報

モバイルデバイス上で、最新の Flash Player と HTML5 のパフォーマンスを比較した結果が公開されています。

以下簡単に内容をご紹介します。

その 1

1 つ目は、EffectiveuI の Sean Christmann 氏による、GuiMark の結果です。

行われたテストは、種々のスマートフォンやタブレットを用意して、ブラウザ内で HTML5 と Flash Player を使い同等のコンテンツを表示するというものです。結果は、1 秒あたりに表示されたフレーム数で測っています。

行われたテストの種類は、

  • ビットマップ描画
  • ベクター描画
  • 数値演算
  • ビデオ再生

です。

インタラクティブコンテンツの再生に関する項目では、どのデバイス上でも、Flash Player 10.3 の方が HTML5 のほぼ 2 倍程度のパフォーマンスを維持しています。(iPhone & iPad では当然ながら HTML5 のみ計測。iOS 機と Android 機の HTML5 描画性能に大きな差はない模様)

ビデオ再生に関しては、HTML5 がフルフレーム再生できるストリームでも Flash Player ではかなりコマ落ちするデバイスがあります。これは、ハードウェアによる H.264 再生がサポートされない環境で差が出ているものと考えられます。

また、この結果はデバイスドライバに依存する部分が大きいようです。Xoom 上での 720p ビデオの再生状況は、Android 3.0 では 60% だったものが、OS を 3.1 に更新した環境では 100% 再生されています。

その 2

2 つ目のテストは、Transition の Tim Siglin 氏による Flash Player 10.2 と 10.3 を使ったビデオ再生テストです。こちらでは、バッテリーの持ち具合も調査されています。

まず、アニメーション再生テストでは、Flash が HTML5 の 3 倍から 7 倍高いフレームレートを実現しています。こちらで使用したベンチマークテストの方が、差が大きく出るようです。

一方、バッテリー消費は Flash Player の方が平均 15% ほど余分に使用、という結果になっています。バッテリーへの影響に関しては、性能が出る分やむを得ないというところでしょうか。

ただ、Nexus S や Xoom では、どちらも Flash と HTML5 でバッテリー消費の差は 3% 程度しかありません。なので、機種依存が大きいともいえそうです。(一見同一スペックに見える Galaxy S と Nexus S で、性能とバッテリー消費の傾向が異なるのも興味深い点です。どちらも Samsung 製なのですが)

次に、ビデオ再生のテストです。Siglin 氏のテストでは Android に標準でインストールされている Youtube のデスクトップアプリと Flash による再生が比較されています。

Flash Player のビデオ再生は、やはり GPU が使えない環境では実際より低いフレームレートになるようです。が、GPU が利用できる場合は、最も高いフレームレートが実現されたようです。

(こちらのテストでも、Android 3.0 の Xoom では 100% のフレームレートが達成できませんでした。タブレットユーザーは、Android 3.1 + Flash Player 10.3 を揃えるのがよさそうです)

ビデオ再生時のバッテリー消費に関しては、アニメーションの場合と同じく、高いフレームレートで Flash ビデオが再生されると、やはり早く進むようです。しかし、これもアニメーションの場合と同様に機種間の差が大きく、Xoom では 3% の違いのみとなっています。

最後に、機種によっては、インストールされている Youtube アプリでは再生できない Youtube ビデオがあったこと。Flash Player はすべてのビデオが再生できたこと、が報告されています。

 

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コメント(2)

Flashのインタラクティブコンテンツの再生速度がHTML5の2倍というのは凄いですね。
Flashは再生パフォーマンスの向上を更に突き詰めてほしいです。
ビデオ再生は、一概に比較はできないと思ってます。 HTML5ビデオは ブラウザ毎に ビデオ再生フォーマットが違うので、正直非常に使いづらい印象。
構造上、HTML5のブラウザ間のビデオ問題はこれからも完全に解決することは難しいと思います。
HTML5で昔のWebのようにブラウザ毎の挙動の違いに対応するのは、開発者としては本当に勘弁して欲しいので、FlashにはこのままWebMやH264等の全ビデオフォーマットのサポートを頑張ってほしいですね。

あえてスピードを落とす設定を設けて、バッテリー重視とする手法もアリかも知れませんね。

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