Flash Player 10.3 の新しいプライバシー機能について

ブラウザとの統合

先日ベータ版が公開された Flash Player 10.3 から追加された新しい機能に、プライバシー機能の改良があります。ブラウザから記憶領域を管理できるようになった、というものです。

この "記憶領域" は、ローカルシェアードオブジェクト (LSO) の機能を使い、クライアント側に情報を保存するための領域です。ユーザー情報を記録するのに使われる例が多いことから "Flash クッキー" と呼ばれたりもします。

LSO に保存されたデータは、データを保存した web サイトからのみアクセスできます。従って、情報を他のサイトに覗かれたりする心配はありません。

しかし、アクセスしている web サイトには、過去の履歴が見えてしまいます。例えば、わざわざクッキーを削除したのに、Flash Player の記憶領域を使ってクッキーを復元された、ということが起きる可能性があります。

そのため、サイトごとに領域の利用可否を指定したり、利用できる領域のサイズ指定を行う機能が提供されていました。しかし、その機能を使うには、SWF の再生領域で右クリックしてブラウザ内に設定マネージャーを開いて、という手順が必要でした。

クッキーであれば、ブラウザーのメニューからできるのに、という声に答えて(?)、Flash Player 10.3 では、ブラウザーの設定メニューから Flash Player の記憶領域を削除する機能が追加されています。

この機能の実現には NPAPI ClearSiteData が使われています。この仕様は、HTML5 をはじめ、ローカルにデータを保存する技術から、記憶領域を削除する共通の API として設計されたものです。現在は、Firefox 4 が対応していて、その他のブラウザーも順次対応する予定だそうです。

Flash Player 10.1 から、ブラウザーのプライベートブラウジングに対応し、プライベートモードで閲覧したサイトの記憶領域は削除されるようになっていました。今回のは、それ以来のプライバシー機能の改善です。

新しい設定マネージャー

デスクトップ環境では、OS のコントロールパネルやシステム環境設定から Flash Player の設定マネージャーを呼び出せるようになりました。これで、どこに設定メニューがあるか分からないということも減りそうです。

設定マネージャーからも、記憶領域の設定を行うことができます。こちらは、ブラウザーのメニューよりも更に詳細な設定が行え、サイトごとに記憶領域の設定をすることもできます。

 

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