Flash Pro CC は、他の CC 製品と同様にクリエイティブクラウドのみから提供される Flash Pro の新しいブランディングでの最初のバージョンです。
これからは、CS の時代とは異なり、バージョンアップにより製品名が変わることは無くなって、昔のように、バージョンで区別されることになります。
この変更の理由の 1 つが、クリエイティブクラウドからのみの提供とすることにより、
- 短い間隔で頻繁に更新が行われる
- 更新のタイミングは製品ごとに異なる
という更新ポリシーが可能になったためと考えれば、Flash Pro も今後はどんどんアップデートされることになりそうです。実際に MAX では、Flash Pro CC 公開後の、さらに次のアップデートの具体的なプランが既に進行中であることも確認できました。
Flash Pro CC の、最も大きな特徴は 64 bit 化と Cocoa 対応です。そのため、32 bit の OS 環境はサポートされません。サポートされる環境は、64 bit 版の Windows 7 と Windows 8、そして OS X 10.7 と 10.8 のみとなります。
今回は、実質的に書き直しとなった Flash Pro では、多くの変更点がありますが、その中から主なものを 10 個ご紹介します。
- パフォーマンスの大幅な向上
64 bit 化されたことや、根本的な作り直しが行われたことで 、起動やパブリッシュにかかる時間が大幅に短縮されました。 - 新しいビデオ書き出し機能
タイムラインのアニメーションをコマ落ち無しでビデオに書き出すことができます。HD サイズのビデオ制作も可能です。また、描画負荷の軽いアニメーションのビデオ書き出しは、実際の再生時間より早く終わるという利点もあります。 - Toolkit for CreateJS の更新
ボタン (ヒットエリアのサポート付き) やモーションパス機能などを利用したアニメーションを CreateJS で扱えるアセットとして書き出せます - モバイルアプリの USB デバッグ
USB 経由で接続された iOS や Android のデバイスにアプリケーションをパブリッシュ、テスト、デバッグを行えます - Scout のサポート
Scout でプロファイリングできるように SWF を書き出すための設定画面が追加されました - 制作時のリアルタイムのプレビュー描画
塗りや線の色を指定する際、即座に反映されるため、操作の結果を待って確認する必要がありません - 新しいコードエディタ
FlashDevelop でも使われている Scintilla ベースの新しいエディタに変更されました。検索/置換機能なども強化されています - タイムラインの機能拡張
レイヤー内の複数のオブジェクトから構成されるアニメーションをキーフレームに変換したり、ステージ上のシンボルやビットマップの入れ替えを容易に行うことができます - 新しい UI
他の CC 製品でも使われている UI テーマに変更されます。濃いグレーと薄いグレーのどちらを基調にするか選択できます。ダイアログボックスも改善されています - Creative Cloud 経由の設定の同期
オーサリング環境の設定情報などをクラウド上に保存したり、複数の PC の設定を同期したりできるようになります。
その他、メタデータ API などの面白い機能もあります。この辺りは、詳細が判明したらまたお伝えします。
MAX でのデモを見たところ、使い勝手の異なる箇所も多々ある印象でしたので、CC への移行は多少なれが必要かもしれません。ともあれ、6 月 17 日を楽しみに待ちましょう。
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