SwitchBoard は AIR アプリケーションと Adobe Creative Suite 製品をつなぐテクノロジーです。SwitchBoard を経由すれば AIR - CS 間でスクリプトを送受信することが可能です。
例えば、Adobe Labs に公開されている SDK には、AIR アプリケーションから Photoshop を利用してイメージファイルのフォーマットを PNG に変換するサンプルが含まれています。このように、制作ワークフローの一部を AIR アプリケーションで繋ぐような使い方が想定されています。
BridgeTalk
BridgeTalk は CS 製品間の通信に使われるプロトコルです。BridgeTalk に対応したアプリケーション間で任意のスクリプトを送受信することができ、必要であればアプリケーション起動も行われます。程度の差はありますが CS3 のつく製品はほぼ BridgeTalk 対応です。
Adobe Bridge CS3 という制作アセットを管理するツールがありますが、これもその名のとおり BridgeTalk を使って他の製品とアセット情報のやり取りを行うツールです。AIR アプリケーションからもこの BridgeTalk を使えるようにするのが SwitchBoard というわけです。
SwitchBoard のインストール
SwitchBoard を有効にするには 2 つのコンポーネントをインストールする必要があります。
- SwitchBoard Service : AIR アプリケーションと Creative Suite 製品間のメッセージを中継
- SwitchBoard Launcher : ターゲットのアプリケーションを起動
プラットフォームに応じて以下のファイルをダウンロードし setup を実行するとインストーラが起動されます。
- Windows : switchboard_p1_win_061608.zip : 25.5MB
- Macintosh : switchboard_p1_mac_061608.dmg : 12.2MB
画面の指示に従ってインストールを完了すると SwitchBoard service と SwitchBoard launcher がバックグラウンドで起動されます。
ちなみに、ベータ版でサポートされる OS は、
- Windows XP SP2, Vista SP1
- Mac OS 10.4.9, 10.5.3
です。
SwitchBoard アプリケーションの開発
Labs に Flex Builder 3 用の SwitchBoard SDK が公開されています。
- Windows : switchboard_sdk_p1_win_061608.zip : 1.32MB
- Macintosh : switchboard_sdk_p1_mac_061608.dmg : 1.59MB
ダウンロードしたファイルから SwitchBoard.swc を見つけて AIR プロジェクトに追加します。
SwitchBoard を使うときは AIR アプリケーションの最初に SwitchBoard.Client.init() を、最後に SwitchBoard.Client.exit() を呼ぶように行を追加するのがお作法です。
CS 製品にメッセージを送るには以下のように記述します。ここでは、Photoshop に JavaScript のスクリプトを送っています。
var msg:SwitchBoard.Message = new SwitchBoard.Message(); msg.target = "photoshop"; msg.body = "alert('Hello Photoshop')"; msg.send();
SwitchBoard 対応の AIR アプリケーションを実行する前に SwitchBoard がインストールされている必要があります。ご注意ください。
より詳しい説明は SDK に含まれているドキュメントをご覧ください。CS 各製品側の情報は ExtendScript Toolkit 2 ヘルプが参考になると思います。