Adobe と Mozilla のオープンソースプロジェクト(Tamarin)

Mozilla Foundation からTamarin という新しいオープンソースプロジェクトが発表されました。(Tamarin プロジェクト@Mozilla.org) Tamarin プロジェクトでは Adobe から AS3 の実行エンジンである AVM2 からコードが提供され Tamarin Virtual Machine と呼ばれている ECMAScript Edition 4 の仕様を実装した VM が開発される予定です。

FireFox には SpiderMonkey と呼ばれる JavaScript の実行環境が搭載されていますが、次世代の SpiderMonkey は Tamarin をベースとしたものになるようです。つまり、将来的には Mozilla の JS エンジンと Adobe の AS3 エンジンは同じコードをベースとした実行環境となります。(念のため、JS と AS 共に言語仕様は ECMAScript-262, Edition 3 をベースとしています。そのためこのようなプロジェクトが可能になるわけです。)

また、Tamarin はオープンソースプロジェクトのため Adobe や Mozilla 以外の開発者がプロジェクトにフィードバックを行うことも可能になります。SpiderMonkey は既にいくつかの Adobe 製品で採用されていますし、これによって Adobe と Mozilla のテクノロジーが共により標準に準拠した品質の高いものになることが期待されています。

JavaScript はブラウザ内でのドキュメント(DOM)の操作がメイン、ActionScript は FlashPlayer 内でのメディアの操作がメインと、それぞれ遣われ方が違うため独自の拡張部分を持っていますが、基本的には同じ言語です。ActopmScript の実装がプロプラエタリであることに懸念のある方も少し見方が変わって貰えればうれしいです。

なお、Tamarin は MPL/GPL/LGPL のトリプルライセンス下で配布されることになっています。誰でもソースコードを入手して自由に変更し、ライセンス下で再配布することができるわけです。そのうち Tamarin ベースのアプリケーションサーバなんて登場してくるかもしれませんね。

一部に AVM そのものがオープンソースに提供されるかのような記事もあるようですが、実際にAVM2 全てが提供されるわけではありません。とはいえ、主要な機能、例えば JIT コンパイラやガーベッジコレクタはオープンソース化されるようです。ちなみに、Mozilla Foundation に寄与された量としては今回の Tamarin が最大だということでした。

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2014年1月

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