Flash ランタイムのバージョン 18 のベータ版が Adobe Labs に公開されています。 (Adobe AIR Beta 18@Labs)
今回の主な新機能は以下のとおりです。
- デスクトップ環境でも Stage3D の Standard Extended プロファイルをサポート
- ブラウザー表示ズーム時の Stage3D コンテンツのスケールが PPAPI プラグインでも可能に
- ATF に ETC2 のサポートを追加
- iOS アプリへのビルド番号指定
- iOS 向けのパッケージ時間をバージョン 17 より更に 20% 程度の高速化
- NPAPI プラグイン用の Flash Player のオーディオ再生を検知したりミュートできる API
- Windows 環境での Flash Player インストール体験の改善
1 番目の Standard Extended プロファイルは、バージョン 17 ではモバイル環境のみで利用可能だったものがデスクトップでも利用可能になったという変更です。バージョン 18 からの機能ですが SWF バージョンは 28 でも利用できるようです。
AGAL のコンパイルには最新の AGALMiniAssembler であるバージョン 3 を使います。GitHub から入手できます。
2 番目の Stage3D コンテンツをブラウザーのズーム比に連動させる機能は Flash Player 15 で追加されていたものです。これが Win 8.x の ActiveX だけでなく PPAPI プラグイン対応のブラウザー (Chrome と Opera) で利用可能になりました。
ActiveX も PPAPI も、フルスクリーン表示時にはこの機能は無効になります。
ATF の ETC2 サポート
ATF のコンテナに ETC2 のテクスチャを追加できます。OpenGL ES 3.0 に対応する Android と iOS 環境での表示に利用できます。
これに伴い、AIRSDK/atftools フォルダ内の ATF 関連のツールの仕様も更新されました。png2atf には ETC2 の生成を支持する引数 e2 が追加されました。カンマで区切って複数のフォーマット指定もできます。デフォルトでは全フォーマットが生成されます。
// etc1 + pvrtc + dxt + etc2 を含むATFを生成 png2atf -c -i sample.png -o sample.atf // etc2 のみのATFを生成 png2atf -c e2 -i sample.png -o sample.atf // dxt + etc2 を含むATFを生成 png2atf -c d, e2 -i sample.png -o sample.atf
同様に、pvr2atf 等にもフラグが追加されました。
pvr2atf -e2 sample_etc2.pvr -o sample.atf
ECT2 は Android と iOS のどちらでも利用可能ですが、OpenGL ES 3.0 対応デバイス限定です。他に GPU のサポートするテクスチャーが ATF に含まれていない場合には、ソフトウェアによるデコードが行われます。ETC2 がサポートされないデスクトップ環境でも、同様にソフトウェア描画にフォールバックします。
AIR iOS アプリへのビルド番号指定
AIR SDK 18 の新しい仕様では <versionLabel> タグの値が CFBundleShortVersionString に設定され、<versionNumber> の値が CFBundleVersion に設定されます。これまでは <versionNumber> の値が両方のキーの値に使われていました。
今後は、<versionNumber> だけ変更して、アプリのバージョンを変えずにビルド番号だけを変更できます。これにより、マイナーな変更だけを行った場合には、アプリの審査をスキップして Testflight でのテストをすばやく行うことが可能になりそうです。
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