Flash Professional CC のほんの始まり

待望の Flash Professional CC が公開されました。既報の通り、今回のバージョンからは Creative Cloud 経由のみでの提供となります。

Flash Professional CC の新機能は、5 月の MAX の時に発表されているので、既にご存じの方も多いかと思います。 (その頃に書いた新機能紹介の記事

特に主要な機能については、ADC OnAir にゲストとしてお迎えした池田さんから、実際のデモが丁寧に紹介されています。よろしければそちらもご覧ください。 ( 第7回『進化した Flash Pro CC - Flash, HTML5, ビデオ表現の可能性を探る』

さらに、今週の金曜日 6 月 21 日に開催される ADC MEETUP Round 07 では、

の 2 つのセッションで Flash Pro CC の話を聞けます。前者は既に Flash Pro を使ったことがある人向け、後者は初心者向けのセッションです。

HTML5 対応

と、公開されたばかりの Flash Pro CC ですが、すでに次のバージョンアップの情報が出ています。

それによると、Flash コンテンツとほぼ同じような感覚で、HTML アセットを制作できるようになるということです。

具体的には、まず、新規ファイル作成時に、AS3 などと並んで HTML が選択肢として追加されるようです。

HTML を選択すると、描画ツールのうち、HTML でサポートされない機能はグレー表示されて利用できなくなります。そのため、安心して HTML コンテンツのオーサリングもできそうです。

また、コードエディタには JavaScript サポートの追加があるようです。アドビには Brackets でも使われている JavaScript 関連の高度な技術があるので、JavaScript でも、クラス構造を理解したコードヒントを出してくれたりするのではないかと期待されます。

(個人的にはどうせなら TypeScript をサポートしてみてもとも思うのですが)

パブリッシュも (+ パブリッシュ設定も)、従来からの Flash コンテンツと同様の手順で行えるようです。パブリッシュのターゲットとして、Canvas と WebGL の選択をできるようにしたいそうで、実現されれば Android をターゲットに含む場合は有効なオプションになりそうです。

ということで、現在の、JavaScript はタイムラインのコメント内に書いて、パブリッシュは専用のパネルを開いて、という仕様に比べれば、ずいぶんとFlash Pro の使い所が増えそうです。

オープン化

さて、上で説明した HTML 対応の件ですが、従来の Toolkit for CreateJS と異なるのは使い勝手だけでは無いようです。

Flash Pro CC では、64 bit 化と共に、アーキテクチャの見直しが図られ、従来の Flash ランタイムを前提とした仕様から、様々な言語や実行環境 (フレームワーク) にアニメーションやインタラクティブなアセットを書き出せるよう検討が進められているそうです。とすると、HTML アセットの書き出しは CS6 のときのように後から付け足したときとは異なり、より深いレベルで、ツールの機能や制作したアセットの情報を利用できるようなりそうです。

さらに、書き出しの際に利用する API もオープン化されるという話があります。

これにより、大抵の環境に対しては、Flash ランタイムのサポートの有無に関わらず、Flash Pro でつくったアセットを書き出す環境を用意できる可能性が開けます。例えば、Flash Pro の iOS 対応を、仮にアドビがしなかったとしても、ユーザーコミュニティ (あるいはサードパーティ) の努力で実現できるかもしれません。

もし、主要なプラットフォームに書き出す環境が揃うなら、今後も、アニメーターやインタラクションデザイナーが Flash Pro をアイデアのスケッチブックとして安心して使い続けられることでしょう。

このあたりの詳細は、Toolkit for Dart が公開される頃には見えてくるものと期待されます。

ということで、Flash Pro CC は Flash ランタイムへの完全依存からの脱却という大きな一歩を本格的に踏み出したバージョンとも言えそうです。

未来への方向性

などなど、まだ公開されたばかりの Flash Pro CC に、既にこのような話が出ているのは、今後、頻繁 (年数回、つまり数ヶ月ごと) にアップデートが予定されているためです。

Flash Pro チームとしては、アニメーター、モーションデザイナー、インタラクションデザイナー、といった人のための最高のアセット制作ツールとして進化させたいと考えているとのことで、そのため、以下の点がアップデートの重要なポイントとされています。

  • 表現力の向上、使い易さの改善
  • ツールのオープン化の推進

なので、ツールの方向性を共有できる人は、早めに CC を使い始めて、どんどんフィードバックすると良いことがあるかもしれません。

また、これまでは、HTML やネイティブのコンテンツ制作が主で、Flash からは距離を置いていたという人も、興味を持ち始めても損は無いかもしれません。

もちろん、Flash ランタイムのサポートも従来どおりに続くはずです!ランタイムの進化にも期待しましょう。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://cuaoar.jp/mt4/mt-tb.cgi/443

コメント(3)

自分はFlashIDEをマップエディターやレベルエディターとして使っていたりもしたので
書き出しAPIのオープン化はとてもありがたいです。

積極的に追っていきます!

いまいさん、こんにちは。

コメントありがとうございます。
私もとても楽しみにしています。
Flashチームだからどうせまた予定よりも時間かかるだろうなと思いつつ。

Flashチーム、心から応援しています。
Adobe=Flashなので

コメントする

2014年1月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
レンタルサーバー

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261