アドビから Flash コンテンツ用のプロファイリングツール Scout が公開されました。ブラウザ内の Flash コンテンツも、デバイス上の AIR アプリも、簡単に且つ詳細にプロファイリングができます。
Scout は、ベータ版の時点では Monocle というコード名で一部の機能が紹介されていたツールで、正式な公開に伴い名称が変更されました。ドラゴンボールに出てくるスカウターをイメージして付けられたのかどうかは不明です。
提供は Creative Cloud を通じて行われます。Creative Cloud のアプリダウンロードページから Game Developer Tools を選択して展開すると、その中に Scout が含まれています。
最初のバージョンは無償で利用できます。Creative Cloud にユーザ登録だけあればダウンロードできるようになっています。
サポートされる環境は、
- Windows 7 64-bit
- Mac OS X v10.6
です。Windows 版は動作する環境がちょっと狭くなっています。
iOS や Android などのデバイス環境で実行される AIR アプリをプロファイリングするには、事前にデバイスに支援用のアプリを別途インストールします。
ランタイムとツールの対応状況
対応する実行環境は、Flash Player 11.4 または AIR 3.4 以降です。同じく本日公開された Flash Builder 4.7 は、既に Scout に対応しています。 (Flash Builder 4.7 から Monocle を使う方法)
Scout を使ってプロファイリングを行うには、SWF 内にフラグを立てておく必要があります。そのためのオプションが追加されたコンパイラが Flash Builder の ActionScript プロジェクトでは利用できるようになっています。
まだ Flash Professional からのサポートはありません。一時的な対応策として Github に Python スクリプトが提供されています。
このスクリプトの動作テストに使われた Python のバージョンは、Mac では 2.6.1、Win では 2.7.2 とのことですので、それ以前のバージョンがインストールされているか、そもそも Python が無い場合は、Python.org あたりから入手が必要です。
スクリプトの使用方法は、以下の通りです。SWF を引数にスクリプトを実行します。
./add-opt-in.py swf_file [password]
LZMA 圧縮されている SWF ファイルには直接このスクリプトを適用できないためちょっと面倒です。pylzma のようなライブラリもあわせて使う必要があります。
Scout の特徴
Scout を使うには、コンパイル時にオプションの指定が必要ですが、出力される SWF 内のコードは通常の SWF と同じです。そのため、以下の酔うな利点があります。
- デバッグ版の Flash Player をインストールするなどの手間が不要
- プロファイル用にコードの変更などの作業は不要
- 通常のユーザが使用する SWF のパフォーマンスをそのまま測定できる
- プロトタイプから公開後のメンテまで、同じ手法でプロファイリングができる
その他詳細はのちのちご紹介する予定です。
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