Flash Player 11.4 と AIR 3.4 のベータ版が Adobe Labs に公開されました。
このバージョンは、Flash Runtime ロードマップでは Dolores と呼ばれているバージョンです。スクリプトを別スレッドで平行して実行する ActionScript Worker の機能などが追加され、今年後半の公開が予定されています。
Flash Player は Windows 版と Mac 版が、AIR は Android 版も提供されています。バージョンは、それぞれ 11.4.400.231 と 3.4.0.2200 です。
ダウンロードリンクは以下になります。
ランタイムの他に、Flash Player のアンインストーラや、新しい playerglobal.swc 、それから AIR SDK も上記リンクからダウンロードできます。
ベータ版ですので、テスト環境での使用をお勧めします。今回は特にいつもより品質が悪い感じなのでご注意を。
新機能
以下は、主な新機能のリストです。
- ActionScript Workers (Flash Player のみ)
ActionScript を複数のスレッドで実行するための ActionScript Worker を導入 (以前の記事で機能の概要をお伝えしてますので、そちらもご覧下さい - ActionScript のマルチスレッド機能についての情報)
- Stage3D への新しいモード追加と GPU ゲーティングの 2006 年までの緩和
GPU の利用が、現在の 2008 年以降の GPU ドライバから 2006 年のドライバまで許可される。これにより、Stage3D や StageVideo をより多くの PC 上で利用できる
それに伴い、Stage3D に新しいプロファイルを追加。これは特に Intel GMA を念頭に置いたもので、低スペックの GPU でも動作するように機能が制限されている。
新しいプロファイルを利用するにはプログラムの修正が必要。Starling の最新版は既に対応が行われており、フレームワークを利用するコードの変更は不要となっている - StageVideo.attachCamera
Camera からの入力を StageVideo を使って GPU 描画できる - Camera.copyToByteArray/Camera.copyToVector
Camera のビデオフレームのピクセルデータを、Video オブジェクト経由で BitmapData 化することなく、ByteArray や Vector にコピーできる - ByteArray の LZMA サポート
ByteArray.compress() と ByteArray.uncompress() で LZMA を使った圧縮に対応 - Stage3D でアルファ付き圧縮テクスチャをサポート
ATF テクスチャを利用して、Stage3D の圧縮テクスチャに透過の情報も含められる。ATF テクスチャを生成するための SDK は近日中に Adobe Labs に公開予定 - iOS 5.1 SDK サポート(AIR のみ)
iOS 5.1 SDK が iOS アプリケーション開発のデフォルトに - iOS の ANE の例外をサポート(AIR のみ)
iOS のネイティブ機能拡張から C++ と Objective-C の例外を利用できる - iOS プッシュ通知(AIR のみ)
AIR が iOS のプッシュ機能に対応。ネイティブ拡張無しで iOS からの通知を受け取れる - iTunes 不要のアプリケーション配置(AIR のみ)
adt コマンドだけで、直接 iOS デバイスにアプリを配置可能。iTunes 等の利用は不要に
新しい機能を利用するには、コンパイルの際に -swf-version=17 の指定が必要です。また、AIR の場合、新機能を利用するには名前空間を AIR 3.4 に変更します。
<application xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/3.4">
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