先日は、Flash Player の Windows 8 の Metro 対応についての記事を紹介しました。 (Windows 8 の Metro スタイル IE10 と Flash Player に関する記事)
その中で予告されていた、Windows 8 向けの Flash コンテンツ開発ガイドが公開されています。 (Developer guidance for websites with content for Flash Player in Windows 8)
近い将来、日本語の翻訳も公開されると思いますが、とりあえず要点だけ訳してみました。以下、ご興味があればご覧下さい。
ガイドに含まれる主な内容は、次の 3 点です。
- Flash コンテンツが含まれる Web サイトの制作者/管理者のための指針
- 互換表示一覧 (CV リスト) の説明と、CV リストへの登録申請の手順
- サイトが CV リスト審査の基準を満たすことを確認するめたのテスト項目
デスクトップ環境で表示する
Flash コンテンツ (あるいは他のプラグインを必要とするコンテンツ) を含むページは、以下の情報を含めることで、IE 10 に、デスクトップに切り替えるための UI を表示させることができる。
- HTTP header
X-UA-Compatible: requiresActiveX=true - META tag
<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="requiresActiveX=true" />
X-UA-Compatible フラグ以外にも、CV リストを使って IE 10 に同様の動作をさせることが可能。
CV リストについて
Windows Metro スタイルの IE で表示されるサイトは、CV リスト上に存在しなければならない。Microsoft は、IE 10 上で最高のユーザ体験が提供されるサイトのみを CV リストに登録する。
評価のポイントには、IE 10 条で表示した際の、Metro スタイルへのユーザ体験の品質への影響、パフォーマンス、レスポンス、タッチ操作、セキュリティ、プライバシー、バッテリー消費、などが含まれる。
以下のいずれかのカテゴリーに属する Flash コンテンツは、IE 10 非互換とみなされる。非互換のコンテンツは、それを含む web サイトを MS が CV リストに登録しない理由となる。
- パフォーマンスを始め、ガイドラインが提供する基準を満たさない
- プラットフォーム間で動作に一貫性が無い (x86, x64, ARM)
- 以下のような問題を持つ
- ローカライズが行われていない、または不適切
- パフォーマンスやバッテリー消費が、同等の HTML5 コンテンツと比べて劣る
- IE 10 互換に必要な機能が提供されない
- IE 10 上の HTML コンテンツと同等のタッチ操作対応が提供されない
- オンスクリーンキーボードを使用すると問題が起きる
- 制作者が IE 10 互換では無いと申告した
また、以下の Flash Player の機能は、当面 IE 10 互換ではない。そのため、程度の差はあれ、サイトのユーザ体験に影響をもたらす。
- カメラ
- マイク
- 印刷
- ブックマーク
- ダブルクリック
- ロールオーバー/ロールアウト
- P2P
- 一部のタッチ関連 API (Pan, Zoom, Rotate, Swipe, PressAndTap)
上記のいずれかが、最適な体験に不可欠と判断される場合、そのコンテンツは IE 10 非互換と考えられる。
サイトの IE 互換テストの方法
環境設定
開発者は、テスト用のサイトをレジストリに設定することで、CV リストに未登録の状態でも IE 10 上で実行することができる。一度に登録できるサイトは 1 つだけ。
Flash コンテンツのテストに使うレジストリのキーは、HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Internet Explorer\Flash\DebugDomain。
DebugDomain には、テストするサイト名を設定する。例えば、
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Internet Explorer\Flash\DebugDomain = my.test.com
DebugDomain に指定できる値は、以下の制限を持つ。
- 直接ページを指定できない。'/' を使用できない。 (http:// もダメ)
- "www" は使用できない。指定しても www は省略される
外部ドメインの Flash コンテンツを埋めこんでいる場合、embed タグを使用していれば再生されるが、iFrame を使用している場合は、外部ドメインが CV リストに含まれていない限り再生されない。
テストの指針
- ローカルのマシン上でテストする (VM は使用しない)
- IE のソフトウェア描画を、有効と無効の状態でテストする
- 2 つ以上のタッチポイントをサポートし、1336 x 768 以上の解像度を持つ要領タッチモニターを使用する
テストケース
- コンテンツは、オンスクリーンキーボードと物理キーボードのどちらでも動作するか
- コンテンツは、マウスとタッチどちらでも動作するか
- ホバーがマウスでもタッチでも動作するか
- 全方向へのパン操作
- ピンチズームそうさ
- ダブルタップによるズーム
- 「戻る」「進む」のナビゲーション動作がスムースか
- タブの切り替え、他のアプリとの切り替えがスムースか
- コンテキストメニューが動作するか
- スナップ操作に対応しているか (以下の状態で、上記のテストをそれぞれのビューで行う)
- ブラウザを 320 ピクセル幅で表示
- ブラウザを画面の残りの幅一杯に広げて表示
- フルスクリーン表示と非フルスクリーン表示の切り替え
- コンテンツの表示
- 描画の乱れが無いか
- 全てのコンテンツが表示されているか
- ビデオ再生はスムースか
サイト審査への提出
CV リストに登録したいサイトの審査の依頼は、以下の項目を明記して iepo@microsoft.com にメールを送る。
- 名前、会社、役職、連絡先情報
- 審査対象のドメイン名と、Flash コンテンツを含むページ
- ドメインを訪れる月あたりのおおよそのユニークビジタ数
- Flash コンテンツが必要な機能
- サイトが使用している SWF バージョン
- Flash Player 以外に使用しているプラグイン
- テストの結果
提出後、MS からは、受信確認と、予想される対応期間が通知される。通常は、6 週間程度が目安。評価が完了すると、担当者に結果が通知される。
承認されたサイトを含む新しい CV リストは、毎月行われるアップデートのタイミングでユーザに配布される。
と、だいたいこんな感じです。Metro にこだわりが無ければ、メタタグを使ってデスクトップ表示への切り替えを促せばよい、ということのようです。
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