以前の記事 (Adobe AIR 3.3 の iOS 関連の新機能) でお伝えした後に、iOS 5.1 のサポートに関する詳細が発表されました。今回はその件にまつわるお話です。
AIR 3.3 は iOS 5.1 SDK をサポートします。これまでの iOS 対応との大きな違いは、iOS SDK に含まれるフレームワークやライブラリへのスタブが AIR SDK に含まれることです。
これにより、iOS 5.1 SDK を直接利用すること無く、iOS の機能を利用するアプリ (ネイティブ拡張から利用するケースを含む) をパッケージできるようになりました。
例えば、AIR 3.3 から、アプリを iPad の Retina 対応にしたいときは、requestedDisplayResolution タグの値を high にするだけよい、ということです。
iOS 6 の利用について
と、iOS 向けアプリの開発が便利になった AIR 3.3 ですが、既に、開発者向けには iOS 6 が公開されるという状況になっています。
このような場合に備えて (?) AIR 3.3 では、パッケージに使用する SDK を指定できるようになりました。adt コマンドを実行する際、-platformsdk というフラグを使って、SDK の置かれたフォルダを指定できます。
つまり、Windows 上でも、iOS6 SDK をターゲットにした AIR アプリ開発ができる (まだ動作未確認ですが) ということになります。
もちろん、その際、事前に iOS SDK を Windows 側にコピーしておく必要があります。コピーの手順は、以下のとおりです。
- Mac 上でターミナルを開き、iOS SDK を "zip -r" コマンドで圧縮
- そのファイルを "cp -r" コマンドを使ってコピー
- Windows マシン上でファイルを展開
あとは、いつもの adt コマンドの後に -platformsdk の指定を追加するだけです。
adt -package -target (ipa-test|ipa-test-interpreter|ipa-debug|ipa-debug-interpreter|ipa-ad-hoc|ipa-app-store) -provisioning-profile ~/certs/MyProfile.mobileprovision -storetype pkcs12 -keystore ~/certs/Certificates.p12 -storepass XXX MyApp.ipa Main-app.xml Main.swf -extdir ext -platformsdk iPhoneOS.6.0.sdk
なお、この使い方は、まだ Flash Builder や Flash Professional からはサポートされていないようですのでご注意下さい。
コメントする