Flex の今後について、Flex チームからの発表 その 2

先日お伝えした Flex チームから Flex の今後についてに、追加の Q&A が掲載されました。以下その内容です。

なお、今回は Flex の提供先として Apache Software Foundation を考えていることが明かされました。

1.アドビは何を提供しようとしているのか?

我々は Flex SDK と BlazeDS を Apache に提供するという提案を準備中です。Flex SDK のコア機能以外にも、以下の提供を考えています。

  • 未公開のものも含めた完全な Spark コンポーネント (ViewStack, Accordion, DateField, DateChooser, 拡張された DataGrid を含む)
  • サーバ側の Java リモーティング & メッセージング技術である BlazeDS
  • 次世代の MXML & ActionScript コンパイラで現在開発中の Falcon (2012 年に完成後に提供予定)
  • 実験的なクロスコンパイラで MXML & ActionScript から HTML & JavaScript に変換する Falcon JS
  • アドビが Flex の開発用に使用してきた品質確認用のテストツール

コード以外にも、フルタイムの Flex エンジニアのチームを新しい Apache プロジェクトに参加させる予定です。上記の未発表のコンポーネント等は、既に開発が開始されています。

2.アドビは単に捨てる目的で Flex SDK を Apache に押し付けて終了させようとしているのでは?

全く違います。我々は Flex で我々が成し遂げたことを大変誇りに思っていますし、今後何年にも渡り Flex が大きな価値を提供し続けることを確信しています。もちろん Apache コミュニテイィからの積極的で継続的な貢献にも期待しています。アドビは堅実にプロジェクトに貢献できるよう計画を進めており、Flex コミュニティとも彼らが貢献者となれるように共同活動を行っています。

3.Flex は Flex 3 SDK からオープンソースだった、今回の発表は何がそんなに違っているのか?

Flex 3 以来、顧客は主に Flex フレームワークの問題を修正するために Flex のソースコードを利用してきました。しかし、新しい機能を開発したり、バグ修正をしてそれを Flex SDK に提供することはあまり積極的に行われませんでした。

金曜日の発表により、アドビは今後のロードマップの管理者ではなくなります。その代わり、プロジェクトは Apache に移管され、定評のあるコミュニティルールに基づいて管理されるでしょう。このモデルでは、Apache コミュニティメンバーがプロジェクトを主導します。我々はプロジェクト管理にアドビのエンジニアと主要なコミュニティリーダの両方が含まれると期待しています。彼らは協力して、将来のバージョンの Flex SDK に置ける新機能や機能拡張を定義するでしょう。Apache のモデルは、活発なコミュニティを育て、開発を前進させ、活発な開発者からの継続的な貢献を実現させることに定評があります。

4.オープンソースの管理はどのように行われるのか?ホスト先は?プロジェクト管理者は?アドビはまだロードマップに影響を持つのか?自分も貢献できるのか?

我々は、現在 Apache に Flex SDK と BlazeDS を受け入れてもらえるよう活発に活動している最中です。今後数週間以内には、より多くの情報を共有できるようになると期待しています。

我々は、Flex コミュニティのメンバーとも活発に協議し、彼らがアドビのエンジニア共々プロジェクト管理に関われるよう働きかけています。

5.Flex アプリケーションが Flash Player や Adobe AIR で動作することについて、アドビから何か保証できることはあるか?

アドビは将来のバージョンの SDK を含め、Flex アプリケーションが PC ブラウザ内の Flash Player 上や、AIR モバイルアプリとして iOS, Android, BlackBerry Tablet OS 上で動作するようサポートを継続します。

6.オープンソース版の Flex は Flash Player や Adobe AIR に対してどのように開発されるのか?

Flex SDK の開発は公開されたバージョンの Flash Player と Adobe AIR ランタイムに対して行われるでしょう。これは、Flex アプリケーションにサポートされ安定した実行環境を提供するものです。

7.アドビの Flash Builder へのコミットは、将来の Flex SDK のサポートとどのような関係になるのか?

将来のバージョンの Flash Builder は、Flex アプリケーションのコード編集、コンパイル、デバッグ、プロファイリング機能を継続して提供するでしょう。アドビは、将来公開される Flex SDK と Flash Builder が互換性を持つために必要な作業を担当するでしょう。

先日お伝えしたロードマップにあった機能、拡張されたコード編集、リアルタイムエラー表示、コード入力時コンパイル機能などは、ActionScript と Flex 両方の開発者から利用できるでしょう。

8.Flex SDK は既存のまたは新規プロジェクトで、まだ暗視て使える選択肢なのか?

もちろんです。Flex SDK はアドビが活発に貢献するオープンソースプロジェクトとして、開発、管理、公開が継続されるでしょう。

9.HTML が長期的には企業アプリケーションに適した技術だという発言について、どのような意図だったのか、より具体的には?

HTML5 関連の技術 (HTML, JavaScript, CSS) はますます能力を伸ばしつつあります。例えば、表現力、パフォーマンス、そしてオフラインデータや Web worker のようなアプリケーション関連の機能が、今後も早いペースで前進を続けることに疑いの余地はありません。いつかは (アプリケーションに依存しますが、例えば今から 3-5 年後には)、HTML5 が今日 Flex が使われているユースケースの大半をカバーできるようになるだろうと信じています。

しかし、Flex は、現在はもちろん、今後何年にも渡り、企業アプリ開発においては HTML5 に対する利点を持つでしょう。特に、以下のような点があります。

  • 複数プラットフォームでの機能レベルの一貫性の提供
  • 複雑なアプリの UI を構築するのに大変生産性の高いコンポーネントとプログラミングモデル
  • 大規模開発にも対応できる成熟した言語の ActionScript
  • サードパーティも含めた、生産性のた開発環境の実現をサポートするツール

Flex SDK の開発方法を変更するという我々の発表は、Flex の基本的な価値に影響を与えるものではありません。また、突然 HTML5 の能力を高めるものでもありません。

我々は、HTML5 が企業アプリ開発に適した技術になることを支援できるよう、HTML 関連の技術への投資をするつもりです。

10.アドビは既存の Flex アプリを HTML/JavaScript に変換するツールを提供するのか?

我々は、この件に関していくつかの実験的な作業を行いました。しかし、まだ、様々な Flex アプリケーションを完全に HTML に変換できる確信はありません。

上で紹介した Falcon JS クロスコンパイラは、この初期の作の代表として、オープンソースプロジェクトに提供するつもりです。

11.次は何をするつもりなのか?

我々は活発に Flex SDK と BlazeDS を Apache Software Foundation に提供する提案に取り組んでいます。一旦、提案が受け入れられたら、アドビとコミュニティの貢献者は共同で作業を開始できるようになります。提案が提出されたら更新情報を公開する予定です。これは数週間後になるだろうと予想しています。

また、我々が行うオープンソース活動への貢献や、アパッチのモデルを通じた Flex SDK や BlazeDS への貢献方法、HTML5 関連の計画について、より詳細な情報を提供できるように準備中です。

 

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コメント(2)

FalcomではなくFalconではないでしょうか。
某ゲーム会社のような名前になっています

UIComponent さん、こんにちは。

そのとおりですね。ご指摘ありがとうございました。

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