アドビから Flash Player 11 と AIR 3 について、公式に発表がありました。公開は来月、ということです。
公式発表内には、従来からお伝えしていた内容から特に新しいものはありませんが、Flash Player チームからは Alchemy について新しいコメントが公開されています。
Alchemy は 2008 年の MAX の時にプレビューリリースが公開されていて、C や C++ で記述されたコードを SWF や SWC にコンパイルして AVM2 上で実行できる技術です。C/C++ ネイティブには適わないものの AS3 よりはかなり早いパフォーマンスを得ることができます。
この Alchemy のプレビュー版がもうすぐ Adobe Labs から削除されることになりました。これは開発中止ではなく、これまでのフィードバックを元に再構築された正式版が出るため、ということです。
Alchemy の正式版は、プレビュー版よりもより高速で、開発しやすい仕様になり、デバッグ機能も提供されるようです。生成されるコードも小さくなって、AS3 との統合も進むようです。
サポートされる実行環境は、Flash Player 11/AIR 3 以降とされていて、近い将来のバージョンアップのタイミングで製品の一部として公開される予定、だそうです。
プレビュー版で開発したコードも、引き続き将来のランタイムで実行可能なようです。ただ、そもそも、プレビュー版はテスト目的以外での利用は推奨しないという話なので、あまりあてにしない方がよいかも?です。
本題に戻りますが、Flash Player 11 と AIR 3 の主な新機能です。
- ハードウェアの機能を利用した新しい 2D/3D 描画機能の搭載
- AIR アプリケーションからのネイティブコード呼び出し
- AIR ランタイムを AIR アプリと一緒にパッケージして配布する機能 (iOS では実装済み)
- Flash Access 3 と組み合わせてのコンテンツ保護
- iOS 上での H.264 ビデオのハードウェア再生サポート
- 64 ビット版の提供
その他詳細は以前の記事を参考にして下さい。 (Flash Player 11 と Adobe AIR 3 リリース候補の公開)
表現の幅が広がること、OS との高い連携が実現されること、ビデオ配信のサポートが充実したこと、など使い出のある更新になったのではないかと思います。
あとは Flex の AIR 3 対応が待ち遠しいところですね。