Adobe Labs に Flash Player 11 のベータ版が公開されました。(Flash Player 11 Beta@Labs)
インキュベータ版からベータ版になったことで、正式版の公開も案外近そうです。とりあえず年内には公開の予定となっています。
今回公開されたのはデスクトップ版です。バージョンは 11.0.1.60 です。待望の 64 bit 版も追加されました。ダウンロードはこちらです。(Flash Player 11 Beta for Desktops@Labs Downloads)
先月発表のあった脆弱性に対しては、このベータ版でも対応済みです。とはいえ、あくまでベータ版ですので、テスト環境のみで使用することをお勧めします。
サポートされるプラットフォームは以下の通りです。
- Windows XP, Vista, Windows 7
ブラウザ:Internet Explorer 7.0 以降, Firefox 3.6 以降, Google Chrome, Safari 5.0 以降, Opera 11 - OSX 10.6, 10.7
ブラウザ:Safari 5.0 以降, Firefox 3.6 以降, Google Chrome, Opera 11 - Red Hat Enterprise Linux 5.6 以降, openSUSE 11.3 以降, Ubuntu 10.04 以降
ブラウザ:Firefox 3.6 以降, Google Chrome
ベータ版のインストール前には、既存の Flash Player のアンインストールをお忘れなく。アンインストーラーは、アンインストーラーと同じページからダウンロードできます。
3D 対応など Flash Player 11 の主な新機能は、以前の記事で紹介済みですが、さらにいくつか機能が追加されました。
- 64-bit サポート
64 bit のデスクトップ環境 (Windows, Mac OS, Linux) に対応するため、64 bit 版の Flash Player を提供 (Mac 版は 32 bit と 64 bit が同じインストーラーに含まれる) - 非同期にビットマップをデコード
イメージデータを表示時にデコードする代わりに、読み込み時にデコードしてキャッシュしておくことで、よりスムースな表示を実現 - TLS セキュアソケットのサポート
TLS を使った安全なクライアントとサーバー間の通信を実現 - JPEG-XR サポート
JPEG-XR (ISO/IEC 29199-2) が利用できます。JPEG-XR は JPEG よりも軽い処理で効率的な圧縮ができ、ロスレス圧縮や、アルファチャネルもサポートされます
開発環境の設定は、以前の記事をご覧ください。 playerglobal.swc の最新版は、記事の最初に紹介したダウンロードリンクから入手できます。
セキュリティについて
最近 WebGL のセキュリティが話題になったりしましたが、Flash Player 11 の新機能である Stage3D のセキュリティに関するコメントが出ていますのでご紹介します。
要約すると以下のような仕様のため、セキュリティ上 WebGL よりも有利ですよということのようです。
- Stage3D は全ての OpenGL ES2 の API を公開せず、利用できる GPU 機能を制限している。そのため、安全性の確保が行いやすい
- フレームごとの API 呼び出し回数を制限している。そのため DOS アタックのリスクが低くなる
- シェーダープログラム記述言語の AGAL では、シェーダ内でのループや関数利用ができない
- AGAL は簡素な言語のため、WebGL 等で使用される GLSL 系に比べて検証が容易