先週行われた Flash Camp Brazil で、Flash ランタイムの方向性についていくつか情報が公開されました。そのときの資料はこちらからダウンロードできます。
まず、大きなニュースはこれです。
Flash ランタイムの公開時期
今後は Flash ランタイムの公開が定期的に行われるようになります。更新間隔は、3 ヶ月で、大きな機能追加が行われるバージョンは 1 回おきになります。
実は、Flash Player 10.2 (冬バージョン) から既にこのサイクルは始まっていて、なので、早くも Flash Player 10.3 (春バージョン) のベータも公開されている、という訳です。この流れだと、夏バージョンは大きな機能追加があるバージョンということになります。
Flash ランタイムの新しい機能
機能強化の方向性については、以下のようなトピックが話されました。
- ガーベジコレクションの高速化
インクリメンタルな GC の実行、コピー不要の世代別 GC の採用、 GC ヒント API の追加 - AS3 の高速化
事前に JIT 化(型ベースの最適化、数値関連の最適化)、float と float4 型の追加 - マルチスレッド
Worker (仮名) による複数処理の同時実行、データを共有しないモデル - ビデオ再生パイプラインのスレッド化
ビデオストリームの読み込みを別スレッドで実行 (他のスクリプト実行と平行して行える)、ビデオデコードがステージ描画処理から独立 - Stage3D
おなじみの Molehill
最後に
現在ベータ版が公開されている AIR 2.7 のパフォーマンスについて、興味深い情報がありました。
それによると、iOS 上での CPU モードの AS3 のパフォーマンスが 5 倍以上高速化されているということです。Android よりもやや早いくらいになりました。
AIR の iOS 対応に関しては、AIR 2.6 の時点では機能のキャッチアップが主眼で、AIR 2.7 でパフォーマンスの最適化、という進行だったようです。
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