Wallaby のプレビュー版が Adobe Labs に公開されました。(Wallaby@Labs)
Wallaby は、昨年 10 月にロサンゼルスで開催された MAX のスニークピークセッションで紹介された技術で、FLA ファイルを HTML に変換します。これを使えば、iOS 上でも Flash Professional CS5 で制作したアニメーションを表示できます。
最初の公開となる今回のプレビュー版では、典型的な広告用のバナーの HTML への変換が目標とされています。複雑なタイムラインのアニメーションを HTML5 に変換できますが、(まだ) 多くの機能がサポートされていません。
ちなみに、Wallaby は Canvas ではなく SVG を使います。これは、パフォーマンスとコードの可読性の観点から選択されたそうです。
Wallaby のダウンロードはこちらです。(Wallaby@Labs Downloads)
Wallaby はネイティブインストーラーとして配布される AIR アプリケーションです。Mac 版と Windows 版が提供されています。
推奨されるテスト環境は、
- OS X 10.5 と 10.6 (殆どのテストは 10.6 で行われたとのこと)
- Windows 7, Vista, XP (こちらも殆どのテストは Win 7 で行われたとのこと)
です。
Windows 環境では、"Microsoft Visual C++ 2008 SP1 Redistributable Package (x86)" がインストールされている必要があります。
Wallaby は WebKit に依存する機能を使っているため、利用できるブラウザーは限定されます。現在テストに使われているブラウザーは、
- Chrome 8.0.552.215
- Safari 5.0.3
- iOS 4.2
です。
複雑なアニメーションが WebKit をクラッシュさせる、というバグがあり、これは今年 1月 26 日に修正されているそうですが、修正された WebKit がブラウザーに適用されるのは、まだこれからのようです。他にもいくつかマイナーなバグが見つかっているそうです。
などなど、まだ実験的な要素が強い印象を受けますが、出力が HTML なので、適当に修正すれば、それなりに使えるケースもあるかもしれません。
実際 Wallaby の目指すところは、Web ページに組み込むコンテンツの生成とのことで、生成されたコードは更に編集される、という使い方が想定されています。もしかすると将来的には、Flash Professional と Dreamweaver をつなぐツールになるのかもしれません。(個人的な妄想)
現在サポートされていない主な機能には、
- 対応が複雑なもの
- ActionScript
- ビデオ
- サウンド
- HTML/CSS がサポートしないもの
- ブレンド
- フィルター
などがあります。
テキスト関連でもいくつかの制限があります。
- 埋め込みフォントのアンチエイリアスのモード指定ができない
- テキストの選択ができない
- リンク、アンカーが使えない
- クラッシックテキストは入力用に使えない
などなどです。
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