AIR 2.6 のデスクトップ用ランタイム及び SDK が公開されました。先日公開された Android 版に続き、Windows, Mac, Linux 版が公開です。
Flash Professional CS5 や Flash Builder 4 のサポートについてはまだ発表されていません。
AIR 2.6 に含まれるランタイムのバージョンは、
- Flash Player: 10.2.152.33
- WebKit:Safari 4.0.3 の WebKit を基にしたバージョン
です。
AIR for iOS
AIR 2.6 SDK から iOS への書き出しにも対応しました。
従来は、Adobe Labs に公開されていた Packager for iPhone のベータ版を使って、iOS 向けのアプリをパッケージしていましたが、AIR 2.6 では、他のプラットフォームと同様に ADT を使って ipa ファイルを生成します。
Packager for iPhonde は AIR 2.0 がベースだったため、機能や性能が Android 向けアプリに比べ劣っていましたが、今後は同じソースを iOS と Android で共有というシナリオがより現実的になりそうです。
Charlie Schulze のデモで、同じコードから書き出されたゲームが、最新の XOOM から iPad 1 / iPhone 3GS までストレス無く動く様子が紹介されています。
サポートされる iOS のバージョンは 4 以降です。それ以前のバージョンをサポートするには、引き続き Packager for iPhone を使います。
サポート対象のデバイスが変わるため、既存の iOS アプリを AIR 2.6 でアップデートすることはできません。(iOS Developer Library/Technical Q&A QA1623) AIR 2.6 SDK を使って書き出したら、新規のアプリとして登録することになりますのでご注意下さい。
その他、マルチタスクへの対応や、Retina ディスプレイ対応も行われました。
AIR 2.6 の新機能
AIR 2.6 から追加された主な新機能を紹介します。
- デバイス向け
- StageWebView をビットマップとしてキャプチャ:
StageWebView のビューポートをビットマップ化する drawViewPortToBitmapData() メソッドの追加 - ソフトキーボードの制御:
ソフトキーボードの表示を制御するための requestSoftKeyboard() メソッドや needsSoftKeyboard 属性の追加と、ソフトキーボードの状態変化を通知する SoftKeyboardEvent の追加 - ソフトキーボード表示時の動作の制御:
ソフトキーボード表示時のパン動作を無効を指定できる <softKeyboardBehavior> タグの追加と、独自の動作を実装できる softKeyboardActivating イベントと softKeyboardRect 属性の追加 - USB でバッグ (Android のみ):
USB 接続した Android デバイス上の AIR アプリケーションをデバッグ可能 - テキスト操作機能の拡張 (Android のみ):
スクロールに対して最適化された標準モードと、選択に足して最適化された選択モードを設定する textInteractionMode 及びコンテキストメニューの追加
- StageWebView をビットマップとしてキャプチャ:
- デスクトップ
- ビットマップの非同期なデコード:
読み込んだイメージのデコードを、読み込み時に行うか、必要になったときまで待つかを指定する imageDecodingPolicy の追加。ImageDecodingPolicy.ON_LOAD を指定すると読み込み時に別スレッドで非同期にデコードが行われる - ネイティブウインドウの関連づけ:
あるネイティブウインドウを他のネイティブウインドウの親として指定すると、子のウインドウは常に親の手前に表示される - ネイティブメニューイベントの追加:
キーボードショートカットによるメニュー表示の要求を通知する Event.PREPARING イベントの追加 - ネイティブカーソルのサポート
- NetConnection.httpIdleTimeout:
NetConnection にアイドル時のタイムアウト時間を指定する httpIdleTimeout 属性の追加 - Linux でのベクター印刷
- ビットマップの非同期なデコード:
AIR 2.6 の新しい機能を利用するには、アプリケーション記述子内の xmlns 属性を次のように変更します。
<application xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/2.6">
また、swf のコンパイル時に、フラグ "-target-player=11" を指定する必要があります。
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