Hero - 次期 Flex SDK (マルチスクリーン対応) のご紹介

Flex SDK 4 が公開されて 3 ヶ月ほど経ちましたが、次のリリースに関する情報が公開されました。コードネームは何を思ったか Hero です。(Adobe Open Source - Hero

今年の後半にプレビュー版の公開、来年中に正式に出荷、が予定されています。

Hero は、大きく 3 (+1) つのテーマを元に開発されるようです。

  1. マルチスクリーン開発: Web、デスクトップ、そしてモバイルデバイス向けアプリケーションを同じフレームワークから構築
  2. Spark の熟成: Spark コンポーネントや機能の追加による Spark アーキテクチャーの拡張
  3. 大規模開発への対応: Flex の基本構造の改良による大規模アプリケーション開発のサポート
  4. 新しい Flash Player と AIR の機能を最大限に活用

Hero は、まだ公開されていない最新の実行環境 (おそらくこれとか) の機能を前提としているため、それらの実行環境が公開されるまでは、従来の Flex SDK のように nightly build を公開することができません。そのため、当面は未公開の実行環境に依存しない機能に限定して、ある程度の間隔で開発中の SDK が公開されることになるようです。最初の公開は、ここ数日内が予定されていて、上記リストの 2 と 3 のテーマからいくつかの機能が実装されたものになりそうです。

マルチスクリーン開発

Hero の一番の目玉はマルチスクリーン対応です。Hero は、スマートフォン向けアプリケーション開発に対応します。もちろん従来のように Web アプリケーションを作ることも可能です。

昨年の時点では、Slider という名前でモバイルデバイス向けの新しい開発フレームワークを提供するという発表が行われていました。ところが、ここ 1 年間でのスマートフォンの性能の急速な向上と Flash プラットフォームのパフォーマンス改善により、既存の Flex フレームワークベースでもデバイス環境で使える目処がたったようで、Hero では予定を変更して、単一のフレームワークでモバイル環境からデスクトップ環境までサポートするという判断が行われました。これで、ロジック部分は共有して、UI のみプラットフォーム毎に作り分ける、なんてコトが簡単にできるようになるかもしれません。(含希望)

Hero ではタッチスクリーンに最適化された新しいスキンや機能が提供されます。また、モバイルデバイス特有の UI パターンをサポートするため新しいコンポーネントも追加されることになっています。これらのスキンやコンポーネントは従来の Flex のスキルをそのまま使って活用することができます。

ここで、少しばかり具体的な説明を。

まずモバイル用のアプリケーションモデルをサポートする MobileApplication という新しいアプリケーションクラスが導入されます。MobileApplication には、画面の回転やデバイスのボタン押下への対応、それからローカルに保存するデータを管理する機能などが搭載されます。

MobileApplication の UI は複数の View の組み合わせから構成されるモデルが想定されており、View 間の切り替えを管理するための ViewNavigator が新しく提供されます。ViewNavigator は MobileApplication の子として宣言されます。

ViewNavigator は Tab Bar、Action Bar、それから View のコンテンツ領域から構成されます。このうち、Tab Bar は表示する View を選択する際に使用します。(上の画像では Search ビューが選択されている) また、Action Bar は表示中の View のタイトルと、その View に関連する操作用のコンポーネントを表示するのに使用します。

UI 関連では、この他にデバイスキーに反応して表示される Application Menu コンポーネントも提供されます。ViewNavigator と Application Menu とあわせて、モバイルデバイスの基本的な UI 機能が実現できるようになっています。

Spark の熟成

Flex 4 で新しく導入された Spark の更なる拡張が行われます。新しいコンポーネントとしては、Form, Image, DataGrid 等が追加される予定です。これらは、単純な Halo コンポーネントの置き換えではなく、より使いやすく、より効率的に動作できるような機能が追加される予定です。

大規模開発対応

モジュールやテーマなどを使った大規模アプリケーションのコンパイルの高速化やメモリ使用量の削減が行われます。また、RSL が拡張され、よりアプリケーションのダウンロードや起動が高速化されます。

 

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