すでにあちこちで書かれている話ですが、いちおうメモということで。
Mozilla や Google を中心とするグループが、ブラウザーのプラグインインターフェースとして広く採用されている NPAPI を拡張しようという議論を行っているそうです。
現在議論されている仕様がこちらの wiki にあります。
これによると、現在の NPAPI の持つ限界として以下のものが挙げられています。
- ブラウザーとは別プロセスでのプラグイン実行など、新しい機能への対応が必要
- 多くのプラグインが NPAPI 以外にも OS やブラウザー固有の API を利用せざるを得ない状況になっている (特に画面描画系)
- プラグインと HTML のレイヤーを正確に合成する事が困難で、OS やブラウザごとに異なる表示がされる原因となっている
これらの問題に対応するため、次世代の NPAPI では以下の 4 点の変更が検討されているようです。
- ブラウザーと別のプロセスでプラグインを実行するための明確なセマンティクスの定義を追加
- プラグインの描画とブラウザーの画面合成プロセスを統合
- OS とブラウザーから独立した、2D および 基本的な 3D 描画に必要な API やイベントの定義を追加
- プラグインを読み込む事無しに利用可能なプラグインを判定する機能
新しい NPAPI のために Pepper と呼ばれる新しいプラットフォームが定義され、OS やブラウザー非依存の環境を実現しようとしているとのことです。
この件に関して、Flash Player チームのブログ (Improved Flash Player Support in Chrome) では、以下のようなコメントが寄せられています。
- 新しい API は OS やブラウザー中立のため、プラットフォーム間での、動きやパフォーマンスに関する一貫性の無さは最小化されるだろう
- 新しい API はプラグインをより柔軟にかつ緊密にブラウザーと統合できるように設計されている
- 新しい API はパフォーマンスや安定性も改善するだろう、なぜならブラウザーはより多くの情報を直接共有できるようになるからだ
- 新しい API はブラウザとプラグインのセキュリティモデルの統合を容易にすることで、より安全な閲覧環境実現を可能にする
その他にも、パスワード管理や SEO 対策などにも利用できそうですし、HTML レイヤーを Flash レイヤーの上に描画することができるようになるかもしれません。(ならないかもしれませんが)
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