Adobe AIR 1.1 が公開されました。(Adobe AIR) AIR 1.1 からは、日本語を含む 10 の言語に正式対応です。AIR アプリケーションのインストール画面にも日本語を表示できます。
日本語のダウンロードページはまだのようですがとりあえずリンクです。(http://get.adobe.com/air/?loc=jp) 既に AIR 1.0 がインストールされている環境では AIR の自動アップデート機能が更新の有無を定期的に確認するため、わざわざ手間をかけなくてもそのうちアップデートされることと思います。(なお、今回 Linux 版についての更新はありません。いまのところ夏の間には次のアップデートが行われる予定とのこと。)
下記は、AIR 1.1 の主な新機能のリストです。
- インストール時や実行時のダイアログボックスのローカライズ
- 日本語のキー入力など英語以外の言語向けアプリケーションサポート
- アプリケーション記述ファイルの name 及び description 属性の各国語対応
- エラーメッセージのローカライズ
- Capabilities.languages の追加による OS からの優先する言語の順位の取得
- 証明書の移行をサポート(自己署名の証明書から CA 発行の証明書へ等)
- Windows XP SP3、 Vista SP1 とそれぞれの OS の Tablet PC Edition と 64-bit 版をサポート
- File.spaceAvailable API の追加による利用可能なディスクスペースの取得
- NativeWindow.supportsTransparency 属性の追加
- 400 以上のバグフィックスとメモリ利用の効率化
- Microsoft SMS や IBM Tivoli 等を利用したサイレントインストール (要ライセンス契約です : Adobe AIR Runtime Distribution)
関連するドキュメントは http://www.adobe.com/support/documentation/en/air/ にまとめられています。
既存の AIR 1.0 アプリケーションはそのままでも AIR 1.1 上で動作しますが、アプリケーションタグの "xmlns" 属性を http://ns.adobe.com/air/application/1.1 に変更すればパフォーマンス向上など AIR 1.1 のメリットを享受できるので、この機会に対応するのもよいかもです。
開発環境の設定
さて、AIR 1.1 対応のアプリケーションを開発するには開発環境も更新が必要です。
Flex Builder 3
Flex で AIR 1.1 のアプリケーションを開発するには今日中に公開される予定の 3.0.2 SDK を使用します。Flex SDK は Adobe のオープンソースサイトからダウンロード可能です。(Flex 3 SDK Downloads) ちなみに 3.0.2 は stable build です。これは最低限のテストはされているが milestone build ほど本格的なテストはされていないビルドになります。
Flex Builder 3 に新しい SDK を追加する方法は livedocs をご参照ください。(Flex Builder での複数の SDK の使用)
データビジュアライゼーションとオートメーションのクラスを使っている場合はそれらのファイルを 3.0.2 のディレクトリにコピーする必要があります。以下はそのリストです。
- <sdkdir>/frameworks/libs/automation*.swc
- <sdkdir>/frameworks/libs/datavisualization.swc
- <sdkdir>/frameworks/locale/en_US/automation*.swc
- <sdkdir>/frameworks/locale/en_US/datavisualization_rb.swc
- <sdkdir>/frameworks/locale/ja_JP/automation*.swc
- <sdkdir>/frameworks/locale/ja_JP/datavisualization_rb.swc
- <sdkdir>/frameworks/rsls/datavisualization_3.0.0.477.*
現在の Flex Builder 3 の仕様では、AIR 1.1 用のアプリケーション記述子を使うよう個別に設定する必要があります。ちょっと手間ですが、ルートタグを xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/1.0" から xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/1.1" に変更してください。
6/18 追記:Flex のテックノートが公開されました。(Update Flex Builder to use the Adobe AIR 1.1 SDK)
Dreamweaver CS3
AIR 1.1 に対応した機能拡張をインストールします。入手はこちらから。(Adobe AIR extension for Dreamweaver mxp : 33.6MB)
Flash CS3
まず、Adobe AIR 用の Flash ファイルが作成できることを確認します。(できない場合は 「ヘルプ」→ 「アップデート」 で最新のアップデートを適用してください。)
次に、AIK というフォルダの中身を全て削除します。フォルダ自体は削除しないでください。
- Windows: C:/Program Files/Adobe/Adobe Flash CS3
- Mac OS X: Macintosh HD: Applications: Adobe Flash CS3
AIR 1.1 用の AIK (AIR SDK Integration Kit) をダウンロードして unzip してから先ほどの AIK フォルダ内にコピーします。
- Windows: http://www.adobe.com/go/getaikwin (zip : 12.9MB)
- Mac OS X: http://www.adobe.com/go/getaikmac (tbz2 :18.1MB )
さらに、Flash から AIR 1.1 用にパブリッシュするにはアプリケーション記述ファイルをマニュアルでアップデートする必要があります。
まず、一旦アプリケーション記述ファイルを 「コマンド」 メニューから作成します。これで作成された xxx-app.xml を適当な名前に変更したら、AIR アプリケーション設定画面を開いて、改名したファイルをアプリケーション記述ファイルとして使用するよう指定します。
次に、アプリケーション記述ファイルを編集します。変更する項目は以下のとおりです。テキストエディタなどで開いて修正します。
- xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/1.0" を xmlns=" http://ns.adobe.com/air/application/1.1" に修正
- <name> タグ内に <text xml:lang="ja">日本語名</text> のようにしてアプリケーション名を記述
- 同様に <description> タグ内にも日本語で説明を記述
- <icon> タグが正しくローカルファイルのパスを指すように変更 (またはデフォルトアイコンを使うようにタグ自体を削除)
- ファイルのエンコーディングを UTF8 に変更
あとは、いつものようにパブリッシュできます。詳細はこちらのテックノートをご覧ください。(Installing Adobe Air 1.1 Update for Flash CS3 Professional)
上条さんこんにちは。
いつもご苦労様です。
こちらの記事の通り設定し、日本語名のアプリケーションを作成できました。が、インストール時、
http://harayoki.net/temp/air11cap.png
のように文字がはみ出てしまいます。
フォントのせいでしょうかね。
(OSはVISTAです)
事実上、あまり問題ないですが惜しい感じです。
連投失礼します。
先のコメントはFlashCS3の場合で、
Flexの方も若干手間取りましたがうまく行きました。
Flexの場合も各国語の表示分け対応という意味で
アプリケーション記述ファイルのnameとdescriptionの値を<text xml:lang="ja">で囲むべきですよね?
テックノート:Update Flex Builder to use the Adobe AIR 1.1 SDK
をみても特に何も書いていませんが。
いつもお世話になっております。
日本語の情報が非常に嬉しいです。ありがとうございます。
ところで、Flex 3.0.2 SDK には、locale/ja_JP フォル
ダそのものが含まれていないようです。
したがって、FlexBuilder3 用の 3.0.2 SDK フォルダを
作成するには、上記だけでなく、下記のフォルダを、3.0.0
SDK フォルダから、フォルダごとコピーする必要があります
よね?
/frameworks/locale/ja_JP
でも、本当にそれでよいのでしょうか?
locale/en_US の内容は、Flex 3 SDK から変更がありま
せんか?
いまいさん、こんにちは。
AIR のインストール時に日本語を表示する場合は Flash/Flex にかかわらず
lang="ja" を使用するようにしてください。
このテックノートは 1.1 への環境アップデートについてのもので、
ローカライズの方法は別のトピックということのようです。
egeta さん、こんにちは。
language pack については、3.0.0 から変更はないそう
ですので 3.0.2 の環境にそのままご利用ください。
いつもお世話になっております。
昔の記事に対してのコメントで大変恐縮ではございますが、1番目のいまい様のコメント(air1.1でインストール字に文字がはみ出てしまう件)と同様の症状がでております。
この件で困っておりまして、、なにか対処方法はございませんでしょうか。
(開発環境はFlashCS3になります)
何卒宜しくお願い致します。
まっくすさん、こんにちは。
製品チームからは AIR 1.1 ではこの症状は確認されていないと言われています。
お使いの環境が、AIR 1.0 または AIR 1.1 ベータだったりしないでしょうか?
お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
大変嬉しく思っております。
AIRダウンロードしてみまして環境確認致しましたが、AIR1.1リリース版でありました。
社内でも検証していまして、同様な症状が起こるスタッフがもう一名おりました。私も含めた2PCとその他での相違点確認してみましたところ、2PCともwinでフォントをインストールをしているPCでした。
検証進めました結果、ヒラギノフォントがインストールされている場合はヒラギノフォントが優先されて、winでヒラギノフォントを利用されると枠内に収まらないのではないでしょうか。
実際私のPCでヒラギノフォントをアンインストールしますと枠内に収まりました。
宜しくお願い致します。
まっくすさん
詳細な検証ありがとうございます。私の環境では再現できませんでしたので、
お手数ですが以下のフォームから状況の報告いただけますでしょうか。
http://www.adobe.com/cfusion/mmform/index.cfm?name=wishform&loc=jp
新しいバグと確認されれば、製品チームが対応すると思いますのでよろしくお願いいたします。
まっくすさん
お知らせいただいた件の修正がされた旨確認が取れました。
ご報告いただいて感謝です。今後ともよろしくお願いします。