Apollo のアルファ版が Adobe Labs に公開されました。(Apollo@Labs) Apollo は従来の Web アプリケーションの境界を大きく広げる可能性を持った新しいクロス OS の実行環境(のコードネーム)です。以前に書いた簡単な説明 (Apollo のご紹介 ) と、先日のデブサミで使用した資料(Developer Summit 2007 資料ダウンロード:14-B-2f)もよろしければご参照ください。
Apollo の特徴は Ajax (HTML+JavaScript), Flash, Flex (MXML+ActionScript) といった Web アプリケーション開発技術を使いながらデスクトップアプリケーションのように様々なローカルのリソースも利用できることです。まだアルファ版ですので Ajax のフルサポートや PDF 表示機能はこれからですがファイル I/O 等の主要な機能は実装されています。早速 Apollo 体験をしてみてください。
まずは Apollo のランタイムのインストールです。次のライセンス条文 (Adobe Apollo Runtime License) をお読みいただいてから、必要なモジュールをダウンロードしてください。アルファ版でサポートされるのは以下のプラットフォームです。
- Windows 版 (Windows XP SP2 / Vista Home premium edition: msi, 6 MB)
- Macintosh 版 (Mac OSX 10.4 PPC / Intel: dmg, 8 MB)
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると Apollo のランタイムがインストールされます。
Apollo ランタイムをインストールすると、Apollo アプリケーションがインストールできるようになります。このようにアルファ版では Apollo ランタイムと Apollo アプリケーションを別々にインストールしますが、正式リリース時には Apollo ランタイムのインストールされていない環境でも Apollo アプリケーションとランタイムを一度にインストールする手段が提供される予定になっています。
いくつかのサンプルアプリケーションが Labs 内 (Apollo:Applications:Samples@Labs) にも公開されていますのでインストールしてお試しいただければと思います。(mms.cfg ファイルを標準以外の構成で使用している場合、Apollo アプリケーション実行中はそのファイルを削除してください)
注 : なお Apollo アプリケーションはデスクトップアプリのように種々のローカルリソースを利用できます。出自の不明な Apollo アプリケーションは決してインストールしないよう注意してください。Apollo のリリース時までには電子署名機能がサポートされる予定です。
Apollo アプリケーションの開発
Apollo アプリケーションを開発するには Apollo SDK を使用します。
コマンドラインツールで開発する場合はこの SDK のみダウンロードすれば OK です。が、これでは結構大変なのでオーサリングツールへの Apollo 開発用の拡張機能も提供されることになっています。現時点で拡張機能が提供されるオーサリングツールは Flex Builder 2.0.1 のみです。Labs から Flex Builder 用機能拡張のベータ版が提供されています。
SDK と Flex Builder の機能拡張 (SDK を含む) どちらも Labs のダウンロードページ (Adobe Labs Downloads Apollo) から入手できます。
Flex Builder 2.0.1 はまだ英語版しか公開されていませんが、今週末には日本語版もリリースされる予定です。既に日本語版のライセンスをお持ちの方はそれまでお待ちいただくのもよいかもしれません。英語版をダウンロードされる方は US の Adobe サイトからお願いします。(Adobe Trial Downloads)
Flash および Dreamweaver にも将来的には Apollo 用アドオンが提供される計画です。当面はこの機会に Flex Bulder をお試しいただければと思います。
開発に必要なドキュメントも Labs 内上記のリンク (Adobe Labs Downloads Apollo) にあります。日本語訳は順次この blog で公開していく予定です。
なお、Apollo のアルファ版は英語環境のみでテストされています。日本語を使用する上で問題が見つかるかもしれませんが、その際にはコメントをお寄せください。製品チームにフィードバックさせていただきます。
ブラウザを作ってみよう
最後に Flex Builder を使った簡単な Apollo アプリケーションの作り方をご紹介します。
まず Flex Builder 2.0.1 と Apollo 開発用機能拡張をインストールします。とりあえず Flex Builder を試してみようという方は、インストール時に Flex Builder plug-in ではなく Flex Builder (デフォルトの方です) を選ぶことをおすすめします。plug-in はインストールに Eclipse 環境が必要です。
インストールが完了したら Flex Builder を起動します。画面左上の Navigator パネル内で右クリックして ”new” を選んでから "Apollo Project" を選択します。
ダイアログウインドウが表示されたらまず Basic を選びます。すると下の画面が表示されますのでプロジェクト名を入力します。ここでは MyBrowser としています。
プロジェクト名を入力したら画面下の Finish を押して完了です。Navigator パネル内に MyBrowser というプロジェクトが作成されたと思います。
MyBrowser.mxml が編集できる状態になっているはずですので、エディタ内に以下のコードを入力します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <mx:ApolloApplication xmlns:mx="http://www.adobe.com/2006/mxml"> <mx:HBox> <mx:TextInput id="inputTF" width="225" text="http://"/> <mx:Button label="移動" click="html.location = inputTF.text;"/> </mx:HBox> <mx:HTML id="html" width="100%" height="100%"/> </mx:ApolloApplication>
Ctrl-s を押してファイルをセーブしたら、mxml ファイルを実行します。(Navigator パネル内の MyBrowser.mxml の文字の上で右クリックをして、表示されたメニューから "Run Application" を選択)
無事ブラウザが動きましたか?
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